公開日 2023年02月15日
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市政執行方針(令和5年度)
令和5年第1回登別市議会定例会にあたり、市政執行に関する私の基本的な考えを申し上げ、市民の皆様並びに市議会議員の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
はじめに、新型コロナウイルス感染症について、同感染症への対応は4年目を迎えておりますが、私たちの暮らしは依然として一定の制限下にあり、コロナ禍前までの状況を取り戻すには至っておりません。
また、ロシアによるウクライナ侵攻を発端とした原油価格や原材料価格の上昇による物価高騰等、私たちの社会生活を取り巻く状況は厳しさを増しております。
このような状況の中、国が本年5月8日から新型コロナウイルス感染症の分類を現在の「2類相当」から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針決定を受け、同感染症を取り巻く状況に、変化が見えてきたものと感じており、本市としましても、状況の変化に対応してまいります。
令和5年度の市政執行の基本的な考えとして、「新しい時代へつなぐ、着実に前進するまちづくり」、「新しい時代につながる、誰もが充実した生活を送られるまちづくり」、「新しい時代につなげる、活気にあふれ賑わいのあるまちづくり」の3つを柱としました。
これは、「未来へつなぐ」ことをキーワードとしており、「SDGs」や「カーボンニュートラル」に通じるものであります。
カーボンニュートラルの最終目標年となる2050年という「遠い未来」を見据えつつ、SDGsの目標年である2030年の「近い未来」を常に意識しながら、市民の皆様とともに新しい時代のまちづくりに取り組んでまいります。
重点施策1点目は「新しい時代へつなぐ、着実に前進するまちづくり」についてであります。
第1「災害に強いまちづくり」については、地震、津波、大雨、暴風等、本市は様々な災害が発生するおそれがある中、北海道が令和4年7月に公表した「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定について」では、冬の深夜に津波が発生し、早期避難率が低い場合、本市の死亡者は最大2万人に及ぶと想定され、同年9月には、国から「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域」及び「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震津波避難対策特別強化地域」に指定されました。
災害から市民の生命を守るため、津波対策については、ソフトとハード両面での津波避難対策を推進すべく、「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進計画」及び「津波避難対策緊急事業計画」の策定を進めるほか、風水害対策として、洪水浸水想定区域が新たに指定された市内河川において、現行の防災マップの別冊となる「(仮称)洪水ハザードマップ」の作成に取り組んでまいります。
災害時に支援を必要とする要介護者や障がい者などを対象とした避難行動要支援者に関する個別避難計画の策定については、幌別鉄南地区をモデル地区として取り組んでいるところであり、今後全市に対象を広げてまいります。
また、災害時に市民が迅速に避難できるよう、登別市連合町内会が主催する(仮称)全市一斉避難訓練に協力し、「災害による犠牲者をひとりも出さない」という強い意志を持ち、行政機関と市民等の公民連携による取組を進めてまいります。
市役所新庁舎の整備については、令和4年度中に完了する基本設計を踏まえ、庁舎及び外構の実施設計を進めるほか、森林環境譲与税等を活用し、新庁舎の内装や什器などの一部に地域材を取り入れてまいります。
また、登別市市民自治推進委員会、各町内会をはじめとした市内各団体の皆様のご意見をいただきながら、本市のまちづくりの拠点、防災の要としての役割を十分に果たし、長く親しまれる庁舎となるように取組を進めてまいります。
次に、本市の将来における消防体制の充実強化に向けて、登別温泉支署と登別支署を統合した東支署を令和2年10月に開署しており、消防本部・消防署と鷲別支署を統合する消防本部新庁舎については、令和7年度からの供用開始に向けて着実に整備を進めてまいります。
西胆振圏3消防本部による消防通信指令業務の共同運用については、広域的な災害対応の強化や消防サービスの高度化を図るため、令和4年度中に法定協議会を設置し、令和8年2月からの「西いぶり消防指令センター」の運用開始に向け、令和5年度は消防指令システム及び消防救急デジタル無線の実施設計を行うなど、将来を見据えた消防体制の構築を進めてまいります。
第2「環境に優しいまちづくり」について、国は、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を宣言し、中間目標である2030年には、二酸化炭素排出量を2013年度比46%の削減を目指すこととしており、北海道においては、国の削減目標を上回る48%の削減を目指すこととしております。
本市においても、昨年2月に「ゼロカーボンシティ」への挑戦を表明しており、この実現に向けて、北海道が目指す高い目標と歩調を合わせながら、再生可能エネルギーの活用や省エネルギー対策、ごみの減量化による二酸化炭素排出量の削減等、環境に配慮した取組をこれまで以上に進めてまいります。
具体的な取組としては、「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」を活用し、市内事業者が設置する自家消費型の太陽光発電設備や同設備の付帯設備として導入する蓄電池等への補助のほか、温泉ホテル等が温泉熱等を活用した融雪システムを導入する場合において補助を行います。
市民向けには、ZEH(ゼッチ)の新築及び購入に対する補助、既存住宅の断熱改修、高効率給湯器の導入に対する補助を行うほか、公共施設については、登別市葬斎場において、事業者が設置する太陽光発電設備からの電気を利用することで二酸化炭素排出量と電気料金を削減できるPPA方式等の活用により、再生可能エネルギーの導入を進めてまいります。
また、ごみの焼却に伴う二酸化炭素排出量の抑制とごみの減量化推進に向け、市民周知と啓発を徹底するとともに、電動生ごみ処理機等の購入補助や、クリンクルセンターに紙類ごみの回収拠点を設けるほか、プラスチックごみの分別収集については、将来の実施に向けて、国や他自治体、リサイクル業界等の動向も注視しながら検討を進めてまいります。
このほか、国内大手の宅配事業者や北海道運輸局とともに令和4年10月に行った「再配達削減チャレンジ宣言」に基づく取組として、宅配ボックスの購入補助を継続して実施するほか、市内事業所における宅配物の職場受取を推進し、再配達による二酸化炭素排出量を2030年度までに2021年度対比で6%削減を目指してまいります。
第3「DXの推進による持続可能な行政経営」については、国において、デジタルの力を活用しながら地方活性化を加速する「デジタル田園都市国家構想」を推進するなど、社会全体のデジタル化がますます求められている中、紙文化からデジタルの活用を基本的な考え方に改め、情報の発信、行政手続き、内部事務、市民サービスのデジタル化を目指す必要があります。
令和5年度は、デジタルを活用することで、3つの変革に取り組みます。
1つ目は、市民サービスの変革です。電子申請の活用に積極的に取り組むことで、来庁しなくてもサービスが完結する「行かない窓口」を目指すとともに、来庁いただいた際にも証明書等の申請書類を書かずに手続きができる、「書かない窓口」の取組を進めるなど、市民サービスをデジタルで変革するほか、デジタルの活用を進めるうえで重要となるマイナンバーカードの普及を推進してまいります。
2つ目は、行政経営の変革です。新しい働き方の推進については、新庁舎での働き方を見据え、一部の部署においてフリーアドレス制を実施しているほか、250名を超える職員が日本工学院北海道専門学校にあるコワーキングスペースやサテライトオフィスでの執務を体験しております。
これまでの取組を通して、グループ内の職員間の連携や新規採用職員へのフォローアップなどの課題を見出し、課題解決に向けた検討を進めるとともに、職員の業務内容に応じた在宅勤務や多様な働き方を実現してまいります。
また、さらなるペーパーレス化、デジタルを活用した事務改善に努めることによる業務の効率化と生産性の向上に取り組むとともに、データの活用など合理的根拠に基づいた政策の立案(EBPM)の推進や、デジタル人材の育成、職員のDXマインドの醸成に努めてまいります。
3つ目は、まちづくりの変革です。情報の発信・共有は、協働のまちづくりを進める本市にとって、根幹となる仕組みとなります。
シティープロモーションや市民への情報発信において、市民の皆様にとって有益である防災や子育てに関する情報などを迅速かつ効率的に提供し、市民生活の利便性向上につながるよう、デジタルを活用した情報発信をさらに進めてまいります。
第4「持続可能で機能的なまちづくり」については、人口減少が今後も進行することが予想される中、市民の皆様が安心して住み続けるためには、魅力のある機能的なまちの構築を進める必要があります。
公共交通については、令和3年度に策定した「登別市地域公共交通計画」に基づき、公共交通空白地域である柏木町等において実証運行等を行い、市民ニーズの把握、分析等に基づき、地域に適した持続可能な公共交通手段を検討してまいります。
JR登別駅前広場については、歩行者・車両等の安全や円滑な乗り継ぎ機能などを確保するとともに、利便性の高い駅前広場を目指し、事業主体である北海道による令和7年度以降の本工事着手に向け、関係機関との協議を進めてまいります。
道道上登別室蘭線東通改良事業については、平成27年度から令和3年度にかけて第1工区約500mの改良が完了し、令和5年度から、第2工区約725mについても北海道より委託を受け、用地買収及び物件移転等の補償業務を実施してまいります。
市民生活の基盤である市道、橋梁については、片倉10号線の法面整備や市内の幹線道路及び生活道路の改良、橋梁の長寿命化等を推進し、安全確保に努めてまいります。
また、市民の憩いの場である都市公園につきましては、富岸公園等の遊具の整備を推進してまいります。
重点施策2点目は「新しい時代につながる、誰もが充実した生活を送られるまちづくり」についてであります。
第1「誰もが安心して産み・育てられる環境の充実」については、子どもを産みたい、育てたいと願う誰もが安心して妊娠・出産・子育てができるように子育て世代を応援し、子どもや保護者の笑顔を守ることが必要です。
出産・子育てについては、孤立感や不安感を抱く妊婦や子育て家庭が少なくない実態にある中、妊娠期から出産・子育て期まで一貫して身近で相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐ「伴走型相談支援」と「経済的支援」を一体的に実施するため、令和5年3月から、「妊娠届出時」と「出生届出以降」に保健師等との面談実施後、応援金としてそれぞれ5万円、合計10万円を支給します。
伴走型相談支援の拡充として、妊娠8か月頃の妊婦の面談場所を居宅や子育て世代包括支援センターのほか、地域子育て支援拠点等を加えることにより、身近な場所で保健師等と出産・子育てに向けて相談できる体制整備を図ってまいります。
また、令和5年度から低所得妊婦の初回産科受診料の費用を助成し、低所得妊婦の経済的負担軽減を図るとともに、妊婦の状況を継続的に把握し、必要に応じて生活困窮の支援担当につなげるなど、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を強化してまいります。
認定こども園の整備については、令和6年度に新生町3丁目に設置される新たな民設民営の認定こども園の施設建設に係る経費を支援するなど、当該認定こども園の設置・運営事業者とともに、開園に向けた準備を進めてまいります。
子ども医療費の助成については、子どもが病気やけがなどで入院した際の子育て世帯の負担軽減を図るため、本市の独自事業として、本年8月から、入院の助成範囲を高校生世代まで拡大し、子育てしやすいまちづくりを進めてまいります。
また、結婚を契機に本市で新生活をスタートする若い世代に対し、家賃や引越費用等の一部を補助することで、若年世代の定住促進と少子化対策の強化を図ってまいります。
さらに、子育てに取り組む家庭の就業条件等の向上を目指し、ひとり親家庭の保護者や児童の高等学校卒業認定に向けた受講費用の軽減を図るため、給付金の割合や上限額等を見直し、働きながら子育てする家庭の支援を進めていくとともに、自主的・積極的に就職活動できるよう支援する「若年者等キャリアカウンセリング事業」や、職業相談・職業紹介を行う地域職業相談室「ジョブガイドのぼりべつ」につなげるなど、就職への後押しを進めてまいります。
第2「次世代を担う子どもたちを育む環境の充実」については、次世代を担う子どもたちを安心して育てることができる環境を整備し、提供することが必要です。
児童館・放課後児童クラブについては、児童にとってより安全で安心な放課後の居場所となり、開放感がある中でリラックスして穏やかな放課後を過ごせるよう、幌別小学校敷地内に幌別児童館と常盤児童館を統合し、放課後児童クラブを併設した児童センター級の児童館を令和6年度中の開設に向け、実施設計等を進めてまいります。
学校給食の提供については、今般の食材料費等の高騰から、本来であれば学校給食費を値上げせざるを得ない状況にありますが、急激な物価上昇等により、経済的負担を強いられている子育て世帯に対し、さらなる負担を求めることは適当ではないと判断したことから、令和5年度の一時的な措置として、値上げ相当分を本市が負担することで学校給食費を据え置き、児童・生徒の保護者に対して経済的に支援してまいります。
第3「地域共生社会の実現」については、人と人が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく地域共生社会の実現に向けた取組を進めることが必要です。
コロナ禍において、とりわけ受診率の低迷が目立つ子宮頸がん検診、乳がん検診、大腸がん検診については、がんの早期発見・早期治療による効果を高めるため、新たに個別勧奨通知を行い、受診率の向上を図ります。
高齢者福祉については、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムを深化・推進させるため、「第8期登別市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」に基づく取組を進めるほか、令和6年度から3か年を計画期間とする「第9期登別市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」の策定に向け、国が掲げる指針等を踏まえ、検討を進めてまいります。
また、糖尿病性腎症重症化予防プログラムや、通いの場活動支援等を通じ、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施に取り組んでまいります。
孤独・孤立問題については、社会全体のつながりが希薄化していると言われる中、新型コロナウイルス感染症の長期化によって、より一層顕在化しております。
一人暮らしで身寄りがなく、今後の人生に不安を抱えている方や高齢だが自分の子の世話をしている方、障がいのある子の将来に不安を抱えている方など、誰にも頼れず、ひとりで悩みごとを抱える方の心の声を聞き取り、また声を上げやすい社会をつくるためには、孤独・孤立についての理解や意識、気運を社会全体で高めていく必要があります。
このような中、本市においては、昨年9月に国の「地方版孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム推進事業」の取組団体として採択され、ひきこもりやヤングケアラーなど様々な困難を抱えている方の把握のほか、必要とする介護保険サービス等の支援策をしっかりと利用できる対策や、自分の人生の在り方を考えるきっかけとなる「終活支援等」を検討するため「登別市孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム推進事業」に取り組んでおります。
令和5年度においては、令和4年度に実施した「人びとのつながりに関するアンケート」の結果を踏まえた支援策を検討するとともに、この「プラットフォーム」において、社会福祉協議会をはじめとする支援機関のほか、町内会やNPO、事業所等との話し合いを深め、共通認識のもと、社会全体で見守り支え合う「重層的支援体制整備事業」の実施につなげてまいります。
障がい者福祉については、障がいのある方もない方も互いに人格と個性を尊重し、支え合いながら生活できる地域社会の実現を目指して、「第3期登別市障がい者支援計画」に基づく取組を進めるほか、令和6年度から3か年を計画期間とする「第4期登別市障がい者支援計画」の策定に向け、国が掲げる指針等を踏まえ、検討を進めてまいります。
国民健康保険の保健事業の推進については、新たに、特定健康診査の受診やウオーキング等を実施した被保険者にポイントを付与する取組を実施し、特定健康診査受診率の向上や継続した運動を行う被保険者の増加を目指してまいります。
重点施策3点目は「新しい時代につなげる、活気にあふれ賑わいのあるまちづくり」についてであります。
第1「観光地としての新たな魅力づくり」については、コロナ禍による影響から市内経済を再び成長させるためには、地域活性化の牽引役である観光産業の果たす役割が非常に重要となります。
登別市観光交流センター「ヌプㇽ」について、いよいよ令和5年3月1日に供用開始となります。
指定管理者である一般社団法人登別国際観光コンベンション協会をはじめ、関係団体や地域の皆様と協力し、インフォメーション機能や地域コミュニティ機能等を有する新たな拠点として、豊かな地域資源やアイヌ文化等の情報を広く発信するとともに、手荷物預かり・配送サービス等のほか、各種イベント等を企画・実施し、市民の皆様とともに、登別地区の賑わい創出を図ってまいります。
令和5年度は施設の外構整備を進めるとともに、安全の確保と利便性の向上を図るため、市道石山通りの一部拡幅工事を実施します。
JR登別駅のエレベーター等の整備については、令和5年度から設置工事に着手する予定となっており、令和8年度を目途に供用開始ができるよう、引き続き、JR北海道と協議・調整を図りながら事業を進めてまいります。
観光振興については、本年3月から登別温泉地区において、観光客の周遊促進や賑わい創出、地域脱炭素の推進などを目的に、北海道で初めてとなる低速電動バス、グリーンスローモビリティの運行を開始します。
また、登別温泉地区の宿泊施設等にモニターを設置し、観光客や地域の皆様が車両の運行状況をリアルタイムに把握できるようにするとともに、観光情報の発信や、災害時には外国人旅行者への注意喚起情報の発信などを行い、観光DXやグリーントランスフォーメーション実現の第一歩としていきたいと考えております。
これからを見据えた誘客促進について、訪日外国人旅行者の誘客については、新千歳空港を発着する国際線も徐々に回復しており、台湾や中国、香港、韓国、タイといったアジアの国や地域からの入込をコロナ以前の水準に戻すべく、プロモーションや情報発信を行ってまいります。
特に、台湾や香港は、令和4年度に実施している「外国人観光客のぼりべつ旅マエキャンペーン事業」で動態に関するアンケート調査を実施した市場であり、安定した訪日旅行者が見込める成熟したマーケットです。
北海道観光振興機構や北海道登別洞爺広域観光圏協議会の事業とも連携を図りながら、旅行博への参加や様々な媒体を通じた情報発信を行ってまいります。
また、本年9月には北海道でアドベンチャートラベルワールドサミット(ATWS)が開催されます。
アドベンチャーツーリズムは、「自然」、「文化体験」、「アクティビティ」の3つの要素のうち、2つ以上で構成される体験型の旅行形態であり、外国人、特にヨーロッパや北米、オーストラリアなどで人気が高いジャンルです。
同サミットでは、アドベンチャーツーリズムに関する世界的な商談会・イベントが開催され、世界中から旅行会社、メディア、アウトドアメーカー、観光局・観光協会、ガイドなどが参加する見込みです。
一般社団法人登別国際観光コンベンション協会と連携し、この貴重な機会に本市の自然、文化、温泉資源等のPRや関連するエクスカーションの受け入れを行い、欧米市場など、新たな市場の開拓につなげてまいります。
第2「経済活性化、関係人口の創出」については、市内経済が持続的に発展するためには、市内事業者の活力が不可欠です。
経営支援の専門家を有する登別商工会議所と本市が、果たすべき役割を確認しながら、市内における創業をはじめ、新たな商品開発や販路拡大等、その事業活動を後押しするとともに、時代の変化・ニーズに沿った事業者支援となるよう、各種補助制度のあり方を検討してまいります。
また、企業誘致については、日本工学院北海道専門学校に開設されたサテライトオフィスenを活用し、同校との連携を強化し、自然豊かな環境で業務ができる立地や優秀な人材を輩出する同校の特長等をPRしながら、卒業生の就職先企業など、同校と親和性のある企業を中心にモニターツアーへの参加を呼びかけ、サテライトオフィス進出、ひいては本社機能の移転につながるよう、取組を進めてまいります。
農業・漁業の振興については、農業では良質な飼料の確保と生産性の高い畜産経営の安定を図ることを目的として、公益財団法人北海道農業公社が事業主体となって農業者を対象に実施する草地整備に向けた調整を行ってまいります。
また、近年、農林業被害だけではなく生活環境被害を引き起こすエゾシカ等の有害鳥獣対策として、一般社団法人北海道猟友会等の協力のもと、山林等での捕獲を行うとともに、市街地に出没するエゾシカ対策として、住民の理解のもと、わなによる捕獲を引き続き実施するなど、被害の減少と個体数の調整に努めてまいります。
漁業の振興については、登別漁港において、国の直轄特定漁港漁場整備事業計画に基づき機能強化が図られております。
北海道開発局が、平成25年度から令和4年度までの第2期計画において、約74億円の事業費を投じて整備が進められ、第3期計画としては、令和5年度からの10年間で約68億円の予算を見込み、衛生管理対策の強化を図るための屋根付き岸壁の増設のほか、防災・減災機能を強化すべく主要な防波堤と陸揚げ岸壁への耐津波対策等が予定されており、これら整備の実施に向け、事業主体である北海道開発局をはじめとした関係機関と協議を進めてまいります。
市役所本庁舎移転後の中央地区のまちづくりについて、古くから商業集積地区であった中央地区の再生を図るため、登別中央ショッピングセンターアーニスをはじめ、幌別駅前広場や周辺道路の拡張整備等が実施されてから30年が経過しております。
令和8年度には市役所本庁舎の移転を予定しておりますが、これに伴う現庁舎の跡地の利活用を含め、中央地区のまちづくりを考える絶好のチャンスと捉え、まちの未来を創るきっかけとしてまいります。
令和5年度は、中央地区に関係の深い団体等で構成する登別市中央地区まちづくり協議会をはじめ、次代を担う若い世代を中心に構成するワーキンググループ、市内にある登別青嶺高等学校、登別明日中等教育学校、日本工学院北海道専門学校の生徒・学生で構成する学生委員会において、中央地区が目指すべきまちづくりの方向性などについて協議していただくこととしております。
商業集積地区だけではなく、本市の地理的、行政サービスの中心である中央地区の未来はどうあるべきなのか、これまで先達が進めてきたまちづくりにとらわれることなく、多角的な視点から幅広い協議を行っていただき、中央地区の「未来づくり」として反映させてまいります。
地域おこし協力隊について、令和5年度は、新たに農業者や漁業者などと連携し、農産物や水産物等の地場産品の普及促進等を図る「地場産品等PRマネージャー」と、一般財団法人登別市文化・スポーツ振興財団と連携し、学校部活動の地域クラブ活動への移行や公共施設を活用した事業を推進する「文化・スポーツ推進コーディネーター」を募集することとしており、現在着任している5名の協力隊員とともに、地域の活性化やまちづくりを推進してまいります。
以上、令和5年度の市政執行に関する基本的な方針の一端を申し上げました。
私の今年の漢字一文字は「応える、応じる」と言う意味である「応(おう)」にしました。
「応」には「適応する」、「対応する」、「順応する」、「期待に応える」、「応援する」等、様々な働きかけに対して具体的な行動を起こすことや物事の変化に合わせ、それにふさわしい対応をするという意味があります。
令和5年度は、「DXの推進」、「ゼロカーボンの推進」、「津波対策をはじめとした防災の推進」、「市役所新庁舎の整備」、「子育て世代への支援強化」など、数々の課題に「順応」・「対応」し、市民の皆様などから寄せられる多くの期待に「応え」続ける覚悟を改めて自らの心に刻んでおります。
その中でも、「DXの推進」については、人口減少や少子高齢化がさらに進展するとともに、社会インフラの老朽化など社会課題が深刻化する中、「新たな日常」の原動力として、社会全体のデジタル化がますます求められております。
AIなどデジタルを活用した先端技術やデータの有効活用など、まちづくりや行政経営においてデジタルの効果を最大限に活かし、持続可能なまちであり続けるとともに、「住み続けたい、住んでみたい」と思える魅力を高めるため、「デジタルファースト」に取り組むことをここに表明します。
デジタルファーストを根付かせ、DXにしっかりと取り組むため、デジタルに関する専門的な知識と経験を有する外部人材を「登別市デジタルフェロー」として委嘱したほか、新たな組織体制としてDX推進室を設置し、推進体制を確立してまいります。
また、デジタルファーストを全市的に普及させるためには、市民の皆様、市内事業者の皆様にもご理解いただき、共に取り組み、その効果や利便性を実感していただくことが肝要です。
登別商工会議所が推進する市内事業者のデジタル活用に適応できる環境づくりと連携を図るとともに、デジタルデバイド対策にも取り組み、誰一人取り残さないデジタル化を基本に変革に努めてまいります。
令和5年度は、これまで市民の皆様とともに乗り越えた苦労やこれまでの努力が実を結び、素晴らしい未来へ本市が進む第一歩になることを私は確信しております。
本市を健全で持続可能な「小さくてもキラリと光る成熟都市」とするためには、市民の皆様、ここにいる議員の皆様をはじめ、市内の全ての団体・企業のご支援やご協力が必要です。
皆様のより一層のご支援とご協力をお願い申し上げ、私の市政執行方針とします。
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