公開日 2020年02月25日
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市政執行方針(令和2年2月)
イランカラプテ。
令和2年第1回登別市議会定例会にあたり、新年度の市政に臨む基本的な考え方と施策の重点について申し上げます。
平成28年8月から3期目の市政の舵取りにあたらせていただき、本年が最終年となります。
私は、市民と行政・議会が互いの力を活かした「協働のまちづくり」を旗印に、市民の皆様の意見を尊重し、市民の皆様が積極的にまちづくりに参画する「市民が主役のまちづくり」を目指し、施策を展開してまいりました。
議員の皆様、市民の皆様、そして職員とともに今日まで市政運営、行政経営を続けることができたことに対して、この場を借りて厚くお礼申し上げます。
今年は、市制施行50周年という大きな節目の年を迎えました。私自身、市民実行委員会の委員として参加した市制施行30周年では、登別地区、登別温泉地区、幌別地区、鷲別地区が手を携え、全市的に記念事業を展開したことで、「鬼のたまご、うまれたよ。」と題して現在に繋がる市民自治の種が蒔かれました。
市制施行40周年では、その鬼のたまごから現在のまちづくりを主体的に担う、のぼりべつ元鬼協議会等の団体が誕生したことに加え、災害時の自助体制の強化等、各団体や町内会活動の充実により、市内の地区同士の交流が活発化し、若い力が躍動する協働のまちづくりの礎ができました。
そして2020年、令和2年、市制施行50周年の年となりました。私はこの記念すべき年を、登別市の成長と発展に尽力されてきた先達の労苦に敬意を表し、功績に感謝するとともに、多くの人々が紡いできた「ふるさと登別」を、次代に『繋ぐ』機会にしたいと考えております。
この『繋ぐ』というキーワードは、過去、現在、未来という世代間の繋がりだけではなく、行政と市民、市内の地区間、団体間、企業間等、様々な主体が連携し、それぞれが持つ技術や経験を繋ぎ、共有し、補完することを意味し、魅力的なまち「のぼりべつ」を築いていくためには欠かせないものであると私は考えています。
昭和45年8月1日に登別町から登別市となりましてから、市制施行五十周年を迎え、記念式典は、本年8月1日土曜日とし、市民の皆様や、本市にゆかりのある方々、また姉妹都市や近隣市町からも多くの関係者に出席いただき登別市民会館において開催します。同日には、川上公園を会場に、第2回のぼりべつ元鬼まつりや市制施行50周年記念市民花火大会を開催する予定です。
記念事業に取り組むにあたっては、「市民活動の活性化」、「産業活動の活性化」、「まちづくり人材の発掘」の三つの目標が、更なるまちづくりのきっかけとなるよう、市民の皆様、特に将来のまちづくりを担う若い世代の方々に参画いただき、登別市の魅力を更に高める取組を進めてまいります。
市制施行50周年を記念して公募したロゴマークやキャッチフレーズ、オリジナルデザインの婚姻届と出生届、原動機付自転車のご当地ナンバープレートについては、市内外から、多くの皆様にご応募いただき、決定いたしました。
ロゴマークは、市内の中学校や高校、日本工学院北海道専門学校に通う学生の皆様の投票により選考させていただきました。この場を借りて心からお礼申し上げます。投票に込められた思いを大切に、様々な場面で活用してまいります。
また、北海道登別青嶺高等学校では缶壁アート、北海道登別明日中等教育学校では期間限定の道の駅等、市民実行委員会と連携した記念事業を企画しており、実施に向けて地域全体で後押ししてまいります。これらの取組を通じて、地域と学校との繋がりを深め、50周年が若い世代の記憶に深く刻まれるよう努めてまいります。
登別の魅力を発信するための「のぼりべつ景観・みどりフォトコンテスト」の開催、更には緑陽中学校付近の富岸川沿いに、市民の憩いの場となるよう、新たに桜並木の創生に向けた植樹等も行います。また秋には、市民実行委員会主催で、サンライバスキー場を会場に、市内外からの参加者を受け入れ、市民スポーツ大会を開催します。
そのほか、令和2年8月までには、日本郵便株式会社の協力で市制施行50周年記念切手シートを発行するほか、10月には、子どもたちの職業体験と、市内企業の魅力発信を目的に、北海道コカ・コーラボトリング株式会社の協力を受け「のぼりべつキッズタウン」を開催します。
次に市政執行の基本的な考えについてでありますが、令和2年度は、未来に向かって飛躍するスタートの年とできるよう「新たな時代に向け、力強く進み続けるまちづくり」、「新たな視点で、だれもが快適に安心して暮らせるまちづくり」、「新たなニーズに対応し、活力に満ちた魅力的なまちづくり」を三つの柱に、市政運営の緒に就いてまいります。
まずは、一点目「新たな時代に向け、力強く進み続けるまちづくり」についてであります。
大規模自然災害から市民の人命を守り、市内経済への被害を最小限にし、迅速に市民生活、経済社会が回復できるようにするためには、市民一人ひとりが災害に備えて情報収集手段や避難場所・避難経路を確認するなど、平時から、防災・減災対策に取り組む必要があります。
令和2年度は、防災についての知識を深め、地域防災力の更なる向上を図るため、市制施行50周年を記念した防災研修会を開催するほか、登別市避難所運営マニュアルの実効性を高めるため、冬期間における避難所の開設・運営訓練を開催します。また、連合町内会が主体的に取り組む、全市一斉市民災害避難訓練を支援することにより、現状の各地域の避難力を評価し、不足な点を強化する動きに協力してまいります。
近隣自治体で災害が発生した際には、様々なニーズに対し計画的、効率的に対応することが重要になります。特に、有珠山の噴火については、そう遠くない将来に発生することが予想されることから、西いぶり定住自立圏形成推進協議会の防災ワーキンググループで、防災体制の情報共有を積極的に行うほか、本市の後方支援計画の策定を進めます。
加えて大規模な災害等の問題が最悪の状態で発生することを想定して、行政機能と市民生活の重要な機能が致命的なダメージを負わない強さと、迅速に復旧するしなやかさをもった地域社会を築くため登別市強靱化計画の策定を進めてまいります。
また、市内企業等が災害時においても事業を継続できるように登別商工会議所等と連携し、BCP策定など各種セミナーの開催に向けて取り組んでまいります。
次に人口減少が進むなか、地域の皆様が地域で安心して住み続けられるようにするためには、コンパクトで利便性の高いまちづくりを進める必要があります。
公共交通機関は市民の重要な移動手段であるとともに、まちづくりや観光等、さまざまな分野に影響を与えるものでありますが、社会現象の変化により、今後10年はますます高齢者世代の割合が増加することが予想されます。
そのため、公共交通の利用者や事業者、行政機関等で組織する登別市地域公共交通活性化協議会での議論を進め、本市における公共交通の課題を整理し、持続可能な公共交通のあり方を検討するとともに、登別市地域公共交通網形成計画の策定を進めてまいります。
また、令和3年度を目途に見直しを進めている登別市都市計画マスタープランについては、令和2年度、全体構想や地域別構想素案をもとに原案を作成するとともに、居住機能や医療・福祉、商業、公共施設等の様々な都市機能を誘導し、市街地の集約化を図るため、立地適正化計画の策定に着手します。
市営住宅の整備については、令和2年3月から供用を開始する千代の台団地1号棟32戸に引き続き、1号棟24戸を整備するとともに、2号棟から4号棟、並びに団地集会所の実施設計を行います。
下水道事業については、下水道施設全体を点検・調査のうえ、より効率的に施設管理を行えるよう、令和2年度にストックマネジメント計画を策定するとともに、将来的な人口減少を見据え、登別市下水道事業経営戦略の見直しを進めてまいります。
水道事業では、人口減少に伴い、水道の需要減少傾向が続くことが予想されますので、登別市水道事業経営戦略に基づき、配水池、ポンプ場等施設の統廃合や廃止、耐震化等の経営健全化に取り組むこととしており、引き続き老朽化した登別温泉浄水場の建て替えを進めるほか、若草第一配水池の耐震化を進めてまいります。
学校施設の耐震化については、幌別東小学校及び幌別中学校校舎の耐震改修工事を実施することにより、全ての学校の耐震化が完了することから、引き続き、登別市教育施設長寿命化計画に基づき、適切な維持管理に努めてまいります。
消防署東支署については、5月から外構工事を行い、令和2年10月の供用開始に向けて取り組むとともに、早期の消防体制の再構築のため、消防本部・本署と鷲別支署を統合した消防本部新庁舎については、現在実施している基本設計をもとに、令和2年度に実施設計と用地取得を進めてまいります。
市役所本庁舎については、令和元年度に基本計画の策定を終えますが、消防本部新庁舎が完成した後、速やかに着工できるよう、引き続き準備を進めてまいります。
また、持続可能な行政経営を進めるためには、行政サービスの合理化、省力化や受益者負担の適正化を図る必要があります。
住民票等のコンビニ交付サービスについては、令和2年2月20日にサービスを開始しましたが、利用にはマイナンバーカードを保有する必要があることから、市民が率先しての取得や、市役所本庁舎や各支所での申請の促進、職員が各地区へ出向いての出張申請受付により普及促進を図ります。
クリンクルセンターについては、将来的な建て替えを見据え、既存施設の安全な維持管理が継続できるよう、ごみ処理手数料とごみ処分手数料の見直しが必要と判断したことから、令和2年度は周知を徹底し、令和3年度からの施行に向けて準備を進めているところです。この手数料改定を機に、改めて各家庭において、ごみの減量化に取り組んでいただくことが、ごみ袋の購入に係る負担の軽減や、施設を建て替える際のダウンサイジングによって、建設費用の抑制に繋がります。市民の皆様のご理解とご協力をお願いします。
また、ごみステーションから収集する燃やせるごみの量は、市民の皆様のご協力により、この20年の間で、約20パーセント減少させることができました。その結果、収集日数を削減することが可能になりましたので、現在、週6回の収集を、令和2年10月からは週5回に集約することとします。
二点目は「新たな視点で、だれもが快適に安心して暮らせるまちづくり」についてであります。
乳幼児期は、人間形成における最も重要な時期であり、全ての子育て家庭に対する支援や地域全体で子どもを育てる環境づくり、意識づくりが、これまで以上に必要であります。
本市では、令和2年4月から第2期登別市子ども・子育て支援事業計画がスタートします。この計画に基づき、子どもたちが健やかに成長する環境整備や子育て支援サービスの提供に取り組んでまいります。
具体的には、保健師や助産師等の専門職が、妊娠、出産、子育てに関するさまざまな相談へ対応するため、総合福祉センター内に「子育て世代包括支援センター」を新設し、必要に応じて支援プランの作成や授乳相談等のサポートを行うことにより、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制を強化してまいります。
市立保育所については、将来的な民間移譲を進めるため、令和2年4月から、栄町保育所と幌別東保育所の運営を民間に委託し、民間活力を取り入れた保育サービスの向上に努めます。また、これまで一部で実施してきた児童の主食費補助の対象を、令和2年4月からは幼稚園等にも拡大し、子育て環境の充実に努めてまいります。
放課後児童クラブについて、令和2年度から、保護者負担金を現行の月額6,000円から月額3,900円に見直しするとともに、同時入所する2人目以降の保護者負担金を月額2,000円とすることで、子どもを預けやすい環境を整え、保護者が安心して働ける環境の充実を図ってまいります。
地域福祉については、地域全体で支えあう協働のまちづくりを目指し、登別市社会福祉協議会が策定した「登別市地域福祉実践計画(きずな)」と連携した新たな「登別市地域福祉計画」の策定に取り組んでまいります。
障がい福祉については、登別市障害者地域自立支援協議会や各関係団体と協議し、障がいのある方のニーズを把握するとともに、「第3期登別市障がい者支援計画」の策定に向けて、事務を進めてまいります。
成人向けの疾病予防については、生活習慣病の発症リスクがある市民を対象とした「からだスッキリ運動教室」を新たに開始することにより、継続的な運動習慣を身につけ、生活習慣病の予防や重症化予防に努めます。
後期高齢者の疾病予防として、低栄養状態の防止や全身疾患の予防に繋がるオーラルフレイル対策として歯科健診を実施し、口腔機能の維持改善に取り組みます。併せて、糖尿病の方に対して、人工透析治療等が必要な重症化段階への移行を防止するため保健師や栄養士による栄養指導等、取組を進めてまいります。
介護予防については、「介護予防のための地域ケア個別会議」を実施し、要支援者等の自立支援・重度化防止に向けたケアプランの作成とそのプランに即したサービスを提供してまいります。
三点目は「新たなニーズに対応し、活力に満ちた魅力的なまちづくり」についてであります。
市民の皆様が、元気にいきいきと生活できる魅力的なまちづくりを進めるためには、基幹産業である観光業や、商業等の振興を図るとともに、安心して働くことのできる職場環境や買い物環境の充実に加え、文化やスポーツに親しむ環境の整備、各姉妹都市・友好都市との交流、多文化共生への理解等、活力のあるまちの形成が求められております。
観光客の受入環境整備等、観光開発の推進を図る費用の財源とするため、令和2年4月1日から、宿泊にかかる入湯税率を150円から300円に引き上げ、引き上げた税収分は観光開発基金に積み立てることとし、当面はJR登別駅のエレベーター等の設置を最優先として、引き続き、北海道旅客鉄道株式会社と費用負担や実施時期等の具体的内容について協議を進めてまいります。
JR登別駅前広場については、歩行者・車輌等の駅利用者の安全性や、利便性の高いJR登別駅前広場の整備に向けて、令和2年度中の都市計画変更に向け事務を進めてまいります。
また、JR登別駅周辺の商店街の賑わい創出や、広域的な観光インフォメーション機能の強化に加え、アイヌ文化等の情報発信、コミュニティ機能の強化を図るため、(仮称)登別市情報発信拠点施設の基本設計や測量、地質調査に着手しており、令和2年度は本体工事を見据えた実施設計を進めてまいります。
その他、登別地区を含め、市全体の経済活性化に向けた取組については、登別商工会議所と連携し、商店街活性化支援事業補助金を継続し、地域社会の発展に重要な役割を担っている商店会等が実施する、地域性を生かした事業や地域の賑わいづくりを支援してまいります。
創業支援については、創業スクール等、創業支援事業の中心的な役割を担う登別商工会議所を支援するとともに、引き続き、事業所開設費補助金や空き店舗活用事業補助金の交付により創業者の負担を軽減し、新たな創業による地域経済の活性化が図られるよう取り組んでまいります。
登別ブランドについては、登別ブランド推奨品が一度に味わえる「登別ブランドまるしぇ」が開催されるほか、消費者の皆様に、自宅で手軽に推奨品を活用した料理を作っていただけるようアレンジレシピ集を作成し、動画等を用いて幅広い層にPRするとともに、販路拡大に向け、インターネット販売等が予定されておりますので、こちらの活動に対し、支援してまいります。
農業の振興については、良質な乳質を誇る生乳や、登別牛に代表される良質な牛肉等、これまでの一次産品に加え令和元年度から開始された肉用牛と養豚の大規模な営農について、道内はもとより全国の食糧生産基盤としての役割を果たせるよう、事業者に対し必要な支援を行うほか、豊富な一次産品を最大限に活用し、学校給食や市内の飲食店、ホテル、旅館での提供等、地元での消費を高めることで、多くの資金を循環させ、地域経済の活性化に寄与する仕組みづくりについて検討するとともに、事業者と連携し、本市が誇る逸品としてふるさと納税の返礼品に登録し、全国の皆様に味わっていただけるよう調整してまいります。
アイヌ政策については、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」、通称アイヌ新法が制定されたことを受け、市内のアイヌの人々のニーズを把握し、未来志向でアイヌ施策を推進するため、令和元年9月に「登別市アイヌ施策推進地域計画」を策定しました。
地域計画では、本市がアイヌ語研究やアイヌ文化の理解促進に大きな功績を遺した知里幸恵、知里真志保姉弟の生誕地であることから、彼らの功績に改めて敬意を表すとともに、市民の皆様に対し、アイヌ語やアイヌ文化の理解促進を図ること、また、国際観光都市としての強みを生かし、アイヌ文化に触れる機会が少ない道外や海外からの観光客に対し、広くアイヌ文化を発信するなど、白老町の民族共生象徴空間ウポポイの開設に合わせ、アイヌ政策推進交付金を活用して、観光振興や文化振興等に資する様々な事業を実施することとしております。
主に(仮称)登別市情報発信拠点施設整備事業や、登別温泉地区とウポポイを結ぶ都市間高速バス路線を開設する事業、また、本市におけるアイヌ文化の理解促進や認知度向上に資する事業等の財源として活用する予定です。
また、ウポポイの開設によって、本市にはこれまで来訪が少なかった国・地域からの観光客や、道内外からの教育旅行の増加が期待できるなど、観光資源や教育旅行のツールとしても大変重要な施設と捉えております。
そのため、海外では、先住民文化や歴史に興味関心が高いとされる欧米の学校、国内では東北地方の中学校や、首都圏以西の高等学校からの教育旅行の誘致についても、登別国際観光コンベンション協会や登別市白老町観光連絡協議会、北海道登別洞爺広域観光圏協議会等の関係団体と連携して実施するなど、今後も国内外からの誘客と観光客の滞在時間の延長を目指してまいります。
次に、今年は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。
本市では、令和2年度、パラリンピックの実施種目である車いすテニスの選手らを招聘、講演会等を開催し、障がい者スポーツへの理解を深めるほか、障がいのある選手との交流や市内のバリアフリー化を促進することにより、障がいのある方も、安全安心に暮らすことができるまちづくりを進めるため、共生社会ホストタウンへの登録を目指します。
デンマーク王国ホストタウンの取組については、大会終了後、デンマークのオリンピアンやパラリンピアンを招聘し、交流ができるよう、引き続き調整を図ります。
また、姉妹都市である宮城県白石市はベラルーシ共和国の、四五都市連絡協議会を形成する滋賀県守山市はトルコ共和国の、それぞれホストタウンとなっていることから、デンマーク王国や各国の応援ができるよう公共施設等に応援ブースを設置するとともに、パブリックビューイングを実施できるよう調整します。
更に、四五都市連絡協議会を形成する東京都福生市、滋賀県守山市と三市合同で、市内の小学生をパラリンピックの陸上競技観戦に派遣し、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が、子どもたちの記憶に深く刻まれるよう取り組んでまいります。
ホストタウン事業をはじめ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を機に新たに培った交流を活用し、本市の魅力を海外にPRすることや、国際理解の促進に努めてまいります。
多文化共生の推進については、令和元年度の中学生ニュージーランド派遣事業に引き続き、登別アイヌ協会の関係者や市立中学校と北海道登別明日中等教育学校の生徒を、友好都市であるサイパン市に派遣し、現地の先住民文化の尊重や共存の様子を学ぶことで、本市における多文化共生社会づくりを担う人材を育成します。
以上、令和2年度の市政執行に関する基本的な方針の一端を申し上げましたが、令和という新しい時代を迎え、今年は市制施行50周年の大きな節目を迎えるとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会や、ウポポイの開設等、国全体がダイナミックに変化するタイミングとなります。
また、道内では、10年後の令和12年(2030年)に北海道新幹線の札幌延伸を控え、札幌市は2030年の冬季オリンピック・パラリンピック競技大会の国内候補地に決定しています。
国立社会保障・人口問題研究所が発表した2030年の人口推計では、北海道全体の人口は減少しますが、全体の40%以上が札幌市に集中するとされ、一極集中の傾向が強まると予想されています。
本市において、これらの動きや予測は、市内経済の活性化や観光振興を図るうえで、大きな影響を与えるため、これからの10年間における取組が重要となります。様々な出来事がもたらす将来的な影響を想定し、目標を定めて準備してまいります。
加えて、国際的な開発目標であるSDGsについても、2030年が目標年とされており、日本では今後10年間を「行動の10年」と位置づけて取り組むこととされております。
本市においても、例えば、予期せぬ災害に対し、被害を最小限にとどめ、市民の生活や経済活動が早期に回復するよう、企業等のBCP計画の策定支援や、避難訓練の実施、後方支援計画、登別市強靱化計画等の策定を着実に進めることを、SDGsのゴールに向けた取組のひとつにしてまいります。
私は、人口減少や少子高齢化等が見込まれるなか、地域経済を活性化させ、誰ひとり取り残さない社会を実現するためには、地方自治体の果たすべき役割が大変重要であると認識しております。
子どもや女性、高齢者、障がい者、外国人等、多様な人材が最大限に能力を発揮し、活躍できる多様性のある社会の実現に向けて、記念すべき市制施行50周年を「緒(いとぐち)」に、これまで以上に地域全体のネットワークを強固なものとし、新たなまちづくり人材を育成することで、50年後の市制施行100周年を見据え、子どもたちや孫たちに、素晴らしい登別を残していけるよう、市民や企業・団体等の多くの主体と連携・協働しながら、魅力あるまちづくりを進めてまいります。
議員の皆様、市民の皆様のより一層のご支援とご協力をお願い申し上げ、私の市政執行方針とします。
イヤイライケレ。
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