市政執行方針(平成29年2月)

公開日 2017年02月23日

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   市政執行方針(平成29年2月)

 

 新年度の市政に臨む基本的な考え方と重点的な施策について申し上げます。

 私は、市政運営の機会をいただいてからの約8年間、市民の皆さんと多くの情報共有を行いながら、公民の役割分担のもと、協働のまちづくりを推進してまいりました。
 今日、この時まで、私がのぼりべつのまちづくりに携わることができたのは、議員の皆さん、市民の皆さん、そして職員の後押しがあってのものと、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 現在、180を超える市民活動団体が市民活動センターのぼりんに登録いただいているところであります。「生きがいづくり」、「子どもを守り育てる環境づくり」等、市民活動のステージは自身の満足感を高める活動から、地域に貢献する活動へと移ろうとしています。
 また、多くの市民がさまざまな市民活動に取り組み、活動の中でまちの課題や問題を見いだし、個人では解決が困難な課題でも、団体間の連携の中で解決への糸口を探ることは可能であります。この「のぼりべつ」に暮らす市民がまちの問題課題をそれぞれの立場で認識していただくことが「のぼりべつ」のまちづくりには必要です。
 自ら主体的にまちのために活動する市民と共にまちに暮らす人々と合意形成を果たし、互いに責任感をもってまちづくりに取り組むことが「のぼりべつ」の「協働のまちづくり」であると考えています。
 今、「のぼりべつ」には、市民が集う場であり、耐震対策が必要な市役所本庁舎の建替えや、広域でごみ処理することにより処理費用等の軽減につながる可能性があるごみ処理施設の今後の方針、国際的な観光地としてより多くのインバウンドを迎え入れるための整備が必要なJR登別駅のバリアフリー化など、大きな決断をしなければならない課題が浮上しています。
 平成29年度は、このさまざまな課題としっかり向き合い、市民との対話を重ねながら方向性をお示しする年となるよう、市民のため、まちのために一命をとして、これからも「のぼりべつ」のまちづくりに市民と共にまい進してまいりますので、議員の皆さん、市民の皆さんのご理解とご協力をお願いします。

【主な重要施策展開の基本的な方向性】

 少子高齢・人口減少社会において、市民と共につくりあげた平成37年度までを計画期間とする第3期基本計画内にまちづくりの節目となる「機」を的確にとらえ、それぞれの立場ですべての世代の方が参画できる取組を進める必要があります。
 この第3期基本計画期間中の前期5年間には、登別市のまちづくりの大きな「機」が2度訪れます。
 まず一つ目の「機」は、平成30年、2018年。この年は、「北海道」と命名されてから150年目の節目にあたるとともに、登別市では登別温泉開湯160年、市民憲章制定50周年を迎えます。
 そして、二つ目の「機」は、平成32年、2020年。同年7月に世界的なイベントである東京オリンピックが開催され、同じく8月には、私たちのまち「のぼりべつ」が市制施行50周年という大きな「機」を迎えます。
 この大きな二つの「機」は、登別市にとって商業活動の活性化や観光産業等の盛り上がりなどが期待されるものと考えています。大きな「機」に人々の心は活性化され、自ら何かを為したいという自然な流れが生まれ出るこの時期を大切なチャンスととらえ、事前に準備することがとても肝要です。
 平成29年度の市政執行における基本的な考えについては、第3期基本計画の第1章から第6章を基礎とし、この「機」に向けた大切な準備期間の1年に取り組む主な重点施策について、6つのキーワードに大別して申し上げます。

 まず、第1に「未来を応援するまち」についてであります。

 まちの未来を輝くものとするためには、子どもたちが健やかに成長することができ、地域の中で子どもたちを守り育てる良好な環境づくり、高齢者や障がい者等が安心して暮らすことのできる環境を整えるため、次の取組を進めてまいります。
 まず、子育て施策についてでありますが、子ども・子育て支援新制度が開始してから3年目を迎え、平成29年度から市内の私立幼稚園で新制度の幼稚園や認定こども園への移行を検討している施設があるなど、市内の保育・教育環境は大きく変化しようとしています。
 また、平成29年度は、子育て支援全般の5か年の取組を示した「登別市子ども・子育て支援事業計画」の中間年次にあたり、この計画の着実な推進に向けた重要な1年となります。
 幼児期は、人間形成の基礎を養う重要な時期でありますので、市立保育所の保育に民間の幼児教育を加えた環境を創生するため、将来の認定こども園創設を目指し、段階的に一部、公立保育所の民営化を進めてまいります。
 さらに、新制度に移行しやすい環境を整え、幼児期の子育てを少しでも応援できるよう、市独自の保護者負担の軽減策を実施してまいります。
 次に、小・中学生の教育環境の向上についてでありますが、4月8日から鷲別小学校新校舎において、全学年での授業を開始します。児童生徒の放課後の時間帯を安全で安心に過ごせる環境整備として、平成30年2月の供用開始を目標に鷲別児童館を学校隣接地に併設するとともに、児童館内において放課後児童クラブを実施してまいります。新児童館の供用開始までの間については、鷲別小学校新校舎内において、放課後子ども教室と連携しながら放課後児童クラブを実施し、子どもたちの1日の生活を通じた環境の向上を図ってまいります。
 さらに、育児相談の場の確保や育児不安の解消に努め、幼小連携がスムーズに図られ、就学児童と未就学児童との異年齢交流や保護者同士の交流を行うことができるよう、児童館内に地域子育て支援拠点となる子育て支援センターを併設してまいります。
 平成29年度は本体工事を行い、子どもが過ごしやすく魅力あふれる環境を構築するため、地域関係者等により構成する運営委員会の意見を参考にしながら、供用開始を目指してまいります。

 次に、医療環境の未来応援の一つに、安心して子を生み、育てることのできる環境づくりが必要であります。
 その一つとして、特定不妊治療については、不妊に悩む夫婦にとって、精神的、経済的に大きな負担が伴うものでありますので、少しでも経済的な負担の軽減を図るため、10万円を上限として医療費の一部を助成します。
 また、安心して子どもを生むためには、西胆振2次医療圏内にある新生児特定集中治療室や回復期治療室の病床を持つ地域周産期母子医療センターの存続が重要でありますので、西胆振6市町が協力し、センターの体制維持に向け、支援してまいります。
 さらに、登別市内の地域医療の確保については、JCHO登別病院の存続に向け、運営するJCHO(独立行政法人 地域医療機能推進機構)と協議を重ね、登別東町において新たな病院の移転が決定されました。
 また、移転までの期間についても登別温泉地区において現病院を継続していただくなど、合意をいただいたところであります。
 平成29年度においては、地域に根差したより良い医療環境を構築するため、JCHOとの連絡を密にとり、確実に登別東町への新病院建設に着工していただけるようお願いしてまいります。今後も病院が備える機能等が市民にとって望むものとなるよう、情報収集に努め、情報提供してまいります。

 次に、未来を応援する福祉施策については、要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで送ることができるようにするためには、市民や団体・関係機関等の連携のもと、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に提供されることが必要でありますので、平成29年度中に介護予防・日常生活支援総合事業における市独自のサービスを構築し、平成30年度からの本格的な実施に向け、要支援者の環境の向上に努めてまいります。
 また、障がい者福祉施策としては、平成28年11月に鳥取県知事を迎えて、道内の市町村では初めてとなる「あいサポート運動」の推進に関する連携協定を締結したところであります。
 平成29年度においては、11の地区連合町内会をはじめ、民生委員児童委員や障がい関係事業所などを中心に、本運動を実践する「あいサポーター」として、500人の養成を目指してまいります。養成後は、登別市障害者福祉関係団体連絡協議会による障害者週間記念事業が行われる12月を一つの目標時期としてとらえ、市内の「あいサポーター」と障がい者が会話をできる機会を増やしてまいります。
 このほか、国民健康保険については、平成20年度末の当時、約7億6,000万円の累積黒字となったことから、翌年度以降の4年間、累積黒字のもと、計画的に保険税率を引き下げ、被保険者の税負担を軽減してまいりました。平成21年度末には、累積黒字が最大の約8億5,000万円となったことから、翌年度には国民健康保険給付費等準備基金を設置し、不測の事態に備え、3億5,000万円を積み立てたところであります。
 しかしながら、近年、高齢化や医療の高度化等に伴い、医療費が年々増大するにつれ累積黒字の効果にも厳しさが見えるとともに、基金も底をつき、平成28年度以降に財源不足が見込まれたことから、被保険者の皆さんに国民健康保険事業の財政状況や医療費抑制の重要性を認識していただけるよう丁寧な説明を行ってまいりました。
 平成29年度は保険税率を引き上げることになりますが、現状の推移では、平成30年度以降の保険税率の引き上げも現実となる可能性が極めて高い状況にあります。
 そのため、次年度以降の保険税率が引き上げとならないよう、被保険者の皆さんには、ジェネリック医薬品の利用や医療機関の重複受診を避け「かかりつけ医」をつくること、薬の重複処方や飲み合わせのチェックなどが可能となる「かかりつけ薬局」をつくること、自身の健康管理や疾病の早期発見・早期治療に繋がる特定健診等各種健診の定期的な受診等について必ず実行していただけるよう強く呼びかけてまいります。この件に関しては、被保険者の負担軽減のために市議会議員の皆さんにも声かけのご協力をお願いしたいと考えております。
 また、平成30年度からの国民健康保険制度の都道府県化については、引き続き、国や北海道からの情報収集に努めながら、新制度への円滑な移行に向け、準備を進めてまいります。

 第2に「自然災害に強いまち」についてであります。

 近年、東日本大震災をはじめ、広島県で発生した土砂災害、御嶽山の噴火、熊本地震や鳥取県中部で発生した地震など、全国的に大きな災害が発生しております。
 当市においても、平成28年8月に接近した台風10号は、市内各所の住居や公共施設等に大きな被害をもたらしたところであります。災害発生時において、すべての人が自ら行うべきことをしっかりと把握し、対応が可能となるよう、地域での防災訓練の実施を促すとともに、災害時に市民や観光客等が速やかに高台避難場所へ避難することが可能となるよう、平成29年度は登別地区、中央地区、青葉地区及び新生地区の4地区に高台避難誘導看板を設置してまいります。
 また、災害発生時の情報伝達手段の一つであり、市内62か所に設置している防災行政無線のサイレンについては、市民がサイレンを意識し、災害時においても聞き漏らすことのないよう、日々の暮らしの中での吹鳴について実証実験してまいります。
 さらに、平成27年に荒天のため中止した総合防災訓練を、平成29年9月に登別地区において実施してまいります。 
 訓練では、自衛隊をはじめとした関係機関と連携し、大津波警報発表を想定した津波避難訓練のほか、ヘリコプターによる孤立避難者の救出訓練、炊き出し訓練等を行い、市民の防災意識高揚につながる訓練となるよう取り組んでまいります。
 なお、今回の訓練については、悪天候などにより予定した日程での実施が困難な場合であっても中止とせず、日程を変え、年度内の実施を関係機関と協議してまいります。

 次に、消防・救急体制については、登別支署と登別温泉支署の統合に向け、平成29年度に建設用地を取得するとともに、市民が防災研修会などにも活用できるスペースを設けた複合的な機能をもった支署となるよう基本設計及び実施設計を行い、平成32年度の統合支署の供用開始に向けた取組を進めてまいります。
 さらに、人口減少や各消防施設の老朽化をふまえ、将来に渡って持続可能な消防体制を確立するため、新たな消防本署の規模や機能、建設地等について、平成29年度から調査・研究を行ってまいります。

 次に、全国的に社会問題となっている空き家への対策については、市民が安全に安心して暮らすことができるよう、発生抑制対策、適切な管理対策、利活用対策を基本方針とする「登別市空家等対策計画」を平成29年3月中に策定する予定であり、今議会に空家等対策計画の実施や特定空家等に対する措置を調査審議するための「登別市空家等対策審議会条例」を提案したところであります。
 また、市民生活に悪影響をもたらす老朽危険家屋、いわゆる特定空家等の除却に対する補助制度を創設するほか、必要に応じた行政代執行の実施も視野に入れながら、特定空家等の解体を促進してまいります。
 さらに、所有者不存在である特定空家等の除却対策などについても、平成30年度の実施に向けた対策手法の検討を進めてまいります。

 第3に「力強い地域経済が展開されるまち」についてであります。

 昨今、日本の観光産業は、世界各国からの注目を集めており、国は急速に成長するアジアをはじめとした世界の観光需要に対応することにより、地域の活性化や雇用の増大につなげるなど、観光立国の実現を推進しています。平成29年5月より「トランスイート四季島」の観光ルートに当市が組み込まれたことによって、他では体験できない最高級のおもてなしを提供するチャンスを成功させるため、市内関連企業等と努力してまいります。
 さらに、2030年に予定されている北海道新幹線の札幌延伸を見据え、函館市、札幌市、登別市が連携し、それぞれの強みを生かしながら新たな魅力開発を行い、平成29年から3市を結ぶテーマ・ストーリー性を有する魅力ある周遊ルート「北海道ドラマティックロード」の構築を進めてまいります。
 また、東京オリンピック・パラリンピックの開催にあわせ、隣町の白老町では民族共生象徴空間が整備される予定であり、これまで以上に多くの観光客が当市を訪れることが見込まれることから、国内外からの来客を迎える玄関口であるJR登別駅のバリアフリー化や周辺整備について、観光客をはじめ、障がいのある方も安心して観光を楽しむことができるよう、取り組んでいく必要があります。改修に向けては、観光都市としてホスピタリティをさらに向上させるためにも登別市の財政出動を覚悟し、国等の補助の活用を模索しながら、実現に向けてJR北海道をはじめ、多くの民間企業の理解と協力を得てまいります。
 具体的には、登別商工会議所が中心となって設置した「登別観光まちづくり円卓会議」と「登別地区観光まちづくり協議会」において各団体と一体となって協議を続けるとともに、JR北海道など関係機関との情報交換や協議を進めてまいります。
 次に、当市の観光産業のさらなる躍進を目指すためには、これまでの観光地を拠点とした観光施策のみを展開するのではなく、全市観光の視点のもと、市内民間事業者と連携しながら幅広く事業を展開することが中長期で肝要であると認識しておりますので、工場見学をはじめ、透析が必要な方も安心して観光できる環境整備など、市内全域を観光素材として見つめ直し、その魅力を無理なく一つずつ掘り起こしてまいります。
 また、観光産業に従事する人材も観光地としての魅力ととらえ、日本工学院北海道専門学校と連携し、観光産業を支える人材育成に努めてまいります。

 次に、まちの魅力発信の手法の一つとして有効なふるさとまちづくり応援寄附金については、クレジットカード決済の導入や返礼品の追加などにより、平成28年度の寄附金額は1億6,000万円を超えたところであります。寄附の増加は、登別が誇る農水産物などの返礼品を通じ、地域の活性化につながっており、また、当市の魅力を発信する絶好の機会でありますので、平成29年度は、首都圏をメインのターゲットとしてとらえ、全国誌での広告掲載や全国チェーン店が発行する冊子においてPRするなど、より効果的な情報発信が行えるよう取り組んでまいります。

 次に、観光産業はもちろん、活気あふれる地域経済を実現し、民間活力を高めるためには、雇用を生み出し、産業の新陳代謝につながる創業支援を行うことが必要であります。
 そのため、創業支援については、産業競争力強化法に基づき策定した「創業支援事業計画」の国の認定を平成28年12月に受けることができましたので、ワンストップ相談窓口を設置し、創業支援対象者の掘り起こしのための創業セミナーや、創業に伴う知識を習得するための創業スクールの開催などを行う登別商工会議所と連携しながら、創業支援事業の推進に取り組んでまいります。
 また、創業者の負担を軽減するため、事業所開設費補助金や空き店舗活用事業補助金を継続し、創業による地域経済の活性化を図ってまいります。

 第4に「堅固な都市基盤で安全安心なまち」についてであります。

 近年、公共施設の老朽化への対応が全国の自治体で大きな課題となっており、当市も同じく老朽化した公共施設や水道・下水道などの都市基盤への対応が懸案となっているところであります。
 しかし、こういった都市基盤の整備の多くが多額の財源を必要とするものであり、年次的に行っていく必要がありますので、各種長寿命化計画等に基づき整備に努めてまいります。
 また、施設の維持整備にあたっては、市民の皆さんにさらなる負担をお願いする場面もあるものと考えますが、事業の実施については年次的に行うとともに経費節減に努め、費用の平準化を図るなど、計画的に行ってまいります。

 次に、市営住宅の整備については、安全安心な住環境の整備を行うため、老朽化した市営住宅千代の台団地の建替えをはじめ、幌別東団地の外壁改修を行うほか、停電時においても安定した給水を行うための施設改修に向けた調査を行ってまいります。
 また、千代の台団地の建替えについては、平成28年度に実施した土壌汚染状況調査の結果や基本設計の成果をふまえた実施設計を行うとともに、第1期工事を行うため、既存の14棟60戸のうち5棟20戸を除却してまいります。

 次に、水道及び下水道事業についてでありますが、水道事業については、現在、事業運営に関する方向性や施策推進の基本的な取組を示した「登別市水道事業ビジョン」に基づき取り組んでおり、簡易水道事業については、公営企業会計への移行に向けて、準備を進めているところであります。
 今後は、人口減少等に伴う水の需要減による収入の減少が想定され、施設面では経年劣化が進行するなど、水道事業及び簡易水道事業を取り巻く経営環境が一層厳しさを増すものと見込まれることから、両事業とも安定した給水確保のため、継続して必要な施設の整備を図るとともに、将来を見据えた経営戦略を策定し、料金のあり方についても検討してまいります。
 また、下水道事業については、平成29年度において、経営戦略に基づいた計画的な経営に努めるとともに、経営健全化に向けた取組を進め、下水道使用料の改定については、市民の皆さんのご理解をいただきながら、平成30年1月1日の実施に向け、取り組んでまいります。
 また、し尿処理については、公共下水道整備の進捗に伴い、収集人口及び汲取り件数が減少し、し尿処理世帯等と公共下水道世帯との負担の格差が広がっていることから、受益者負担の適正化及び住民負担の公平性の確保を図るため、し尿処理手数料及び浄化槽汚でい処分手数料を平成29年4月1日から改定してまいります。

 次に、ごみ処理については、平成12年に供用開始したクリンクルセンターにおいて処理しているところであり、長寿命化計画に基づき、平成41年度までの延命化を行っているところであります。
 この度、西いぶり広域連合において、現焼却処理施設が更新されることになりましたので、当市においても処理費用等の軽減となる可能性があることから、共同整備の可能性について検討を進めているところであります。
 共同整備にあたっては、施設の更新に要する経費をはじめ、クリンクルセンターをさらに延命化した場合の経費等を比較検討しているところであり、議会や市民の皆さんと広く情報を共有しながら、平成29年6月初旬までに方針を決定してまいります。
 また、今後も使用する最終処分場については、平成29年度において水処理施設の改修を行ってまいります。

 次に、道路及び排水への取組については、幹線道路及び生活道路の改良等を行うとともに、大雨による道路冠水多発地域を対象に、若草町の雨水排水ポンプ増設工事や新生町の排水路改良工事などを進めてまいります。
 また、JCHO登別病院の移転先周辺のインフラ整備として、移転に先駆け、平成29年度から移転先周辺の道路整備に着手してまいります。
 さらに、北海道が進める道道上登別室蘭線東通の拡幅改良事業として、用地補償業務について北海道から市が委託を受け、実施してまいります。

 次に、都市基盤の整備とあわせ、住みよいまちをつくるためには、良好な景観と豊かなみどりを守り、育て、つくり、これらを次の世代へ継承していく必要がありますので、「登別市景観とみどりの条例」に基づき、市民と共に緑化推進活動を展開するとともに、緑化意識の醸成を図ってまいります。
 また、郷土の象徴として親しまれてきた「市の木・市の花木・市の花」は、制定から45年が経過しますので、市制施行50周年を迎えるにあたり、改めて市民の皆さんと「市の木・市の花木・市の花」のあり方について、共に検討してまいります。
 また、魅力ある身近な登別の景観を市民に再認識していただくため、景観意識啓発フォト事業を行い、観光客に市内景観フォトを利用した景観周遊ルートを紹介するなど、全市観光を目指した取組にもつなげてまいります。

 次に、安心なまちづくりの基盤整備の一つとして、少子高齢化の進展により、将来遺骨を管理する遺族等がいなくなる家庭の増加が想定され、安心して遺骨を納めることのできる合同墓の設置が求められております。
 そのため、平成29年度においては、合同墓の設置に向けた実施設計を行い、平成30年11月の供用開始に向けた取組を進めてまいります。

 次に、市内の中心地に建つ市役所本庁舎は、市民と共にまちづくりを進めるための中枢となる施設の一つであり、まちをイメージづける建築物の一つでもありますが、現在の市役所本庁舎は、著しく老朽化し、外観もさることながら機能的にも大きな地震に耐えうる状況にはありません。これまで、公共施設の耐震化については、子どもたちの安全を考え、小・中学校を最優先としてきたところでありますが、平成32年度をもって一定の目途がつく予定であり、平成29年度からは国において庁舎の耐震化に向けた財政措置の拡充が検討されていることもふまえ、本庁舎については優先度を上げ、他の公共施設との統合も見据えながら、平成29年度中に更新の方向性を定めてまいります。

 第5に「生涯を通して学び、活躍できるまち」についてであります。

 生涯を有意義におくり、充実したものとするためには、あらゆる年代の人々が日々の暮らしの中でさまざまなことについて「学ぶ」機会を見いだし、知識を身に付けることが肝要であります。
 また、豊かな人生を過ごすためには、豊かな心の育成が欠かせないものと認識しておりますので、次代を担う子どもたちの心の育成はもとより、市民一人ひとりが日常生活の基本である社会規範や思いやりの気持ちなどを再認識できる場の確保に努めてまいります。

 次に、小・中学校の校舎については、安全安心な教育環境を確保するため、登別中学校校舎の耐震改修工事や外壁改修等工事を実施するとともに、富岸小学校、幌別西小学校の校舎の耐震改修工事の実施設計等に取り組んでまいります。
 また、平成28年12月に完成した鷲別小学校新校舎については、海抜20.8メートルの屋上までの屋外非常階段や防災備蓄品の防災倉庫を備えるなど、大津波警報発表時の津波避難ビルとして活用を図ることができるよう整備したところであります。
 子どもたちの学び舎として必要な機能はもちろん、防災機能も備えたこの新校舎には、子どもたちが6年間学び、卒業後も母校で過ごした日々が誇りに思えるようなさまざまな意匠を凝らしたところであります。

 次に、次代を担う子どもたちが健やかな体をつくるためには、まず、子どもたちがさまざまな競技に興味や関心を持ち、夢を育むことが重要となりますので、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、市内のスポーツ関係団体等と連携を図りながら、オリンピック選手をはじめとした関係者を招き、講演や実技指導等をしていただく機会を創出してまいります。

 第6に「誇りと愛着をもてるまち」についてであります。

 市民一人ひとりが、登別市に誇りと愛着をもって暮らすためには、当市に暮らす人々が「ふるさと のぼりべつ」の歴史を知り、優れた景観や街並みを愛し、ふるさとがもっと住みよいまちとなるよう、積極的にまちづくりに参画するという意識の醸成が必要であります。そして今、懸命にまちづくりに取り組んでいる市民の皆さんへの心からの感謝を忘れることなく、人々の想いを受け継いでくれる次世代のリーダー、まちづくりを担う「市民」を育成しなければなりません。
 まちづくりを進めるにあたっては、さらなる発展へとつながる「きっかけ」をしっかりと活用できるよう、東京オリンピック・パラリンピックの開催、北海道新幹線開業やインバウンドの増加、民族共生象徴空間の設置、市制施行50周年、北海道命名150年など、さまざまな節目をまちづくりの加速剤としながら、途切れることのないまちづくりに取り組んでまいります。 

 次に、まちの歴史については、現在、多くの方に「ふるさと のぼりべつ」の歩みを知っていただき、後世に残していくことを目的として、100を超える個人や事業者、団体等のご協力のもと、多くの有形無形の資料を収集しているところであり、平成29年度においては、市史編さんだよりを発行し、取組状況を広く周知してまいります。

 次に、まちづくりの指針の一つである市民憲章については、平成30年9月20日に市民憲章制定50周年という大きな節目を迎えることから、登別市民憲章推進協議会と連携を図り、記念誌の発行や記念式典の開催等に向けた協議を進めるとともに、各団体が主体的に取り組む活動が市民憲章の描くまちづくりを実践するものとなるよう働きかけてまいります。

 平成29年度の市政執行に関する基本的な方針の一端を申し上げましたが、私がさまざまな事業を展開し、目指すまちの未来は、「住みつづけたい、住んでみたいと思える魅力あるまち」であります。
 そして、市民一人ひとりが、すべての人を温かく迎え入れることができる豊かな心を有し、自らが活き活きと暮らす姿を示すことにより、当市を訪れた皆さんが、まちに魅力を感じることができるまち、それが私の目指す「ふるさと のぼりべつ」であります。
 その原動力となるのは、このまちを愛する心であり、まちの未来を自ら描く想いであり、想いを実行するという強い信念であります。
 2020年には、市民の記憶に残る市制施行50周年となるよう、市民の皆さんと議論を開始します。
 私たちの目の前には、まちの将来へと続く扉がいくつもあり、限りない可能性へ挑戦し続ける心を失わない限り、常に開かれていると私は強く信じています。
 市民とまちの将来について共に考え、明るい未来への扉を開くことができるよう、まちを取り巻く環境をしっかりととらえ、対話を重ねながら市民の皆さんと共にこれからも歩んでまいります。
 議員の皆さん、市民の皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げまして、私の市政執行方針といたします。

問い合わせ

総務部 企画調整グループ
TEL:0143-85-1122
FAX:0143-85-1108

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