前書き

公開日 2013年03月15日

平成16年度の我国の経済は、公共事業等の政府部門の支出が抑制されるなかで、回復を続け、後半に踊り場状況となったものの実質GDP成長率は1.9%となりました。特に企業部門の経常利益は、3年連続で増加し、売上高経常利益率はバブル期を上回りました。この背景には、バブル後の長期低迷の主因となっていた、雇用、設備、債務の「3つの過剰」がほぼ解消されたことが考えられ、我国の経済は「バブル後」と呼ばれた時期を脱しつつあります。

このような全国的な景気回復基調のなかでも、北海道の経済は平成16年度の平均失業率が5.7%(全国4.6%)と高い数値を示すなど、依然として厳しい状況にあります。

地方財政については、地方の歳出・歳入両面で国の関与を減らし地方の自由度を高め、簡素で効率的な行財政システムの構築を図るための「三位一体の改革」が、平成16年度から本格的に動き出しました。

平成16年度予算編成中に示された地方財政計画は、実質的な地方交付税を対前年度比で12%も削減するという、これまでにない厳しい内容となり、地方自治体は、突然かつ大幅な交付税削減への対応を迫られることとなりました。

このように、歳入面では、実質的交付税の大幅削減が見込まれる一方、歳出面では、義務的経費である扶助費と公債費の増加、幼保一元化モデル事業を行う新たな登別保育所の建設、幌別東団地の建替事業や亀田記念公園の整備、キウシト湿原緑地保全事業、新市民プール建設事業などが見込まれたため、例年以上の厳しい財政状況下での予算編成となりました。

このため、各種基金の取崩しや地域再生事業債の活用、市税の徴収率向上対策の強化、レセプト点検業務やクリンクルセンタープラットホーム業務の全面民間委託を推進するとともに、単独医療費の見直しや特殊勤務手当の見直し、職員数の削減などによる人件費の縮減を行う等、経常的経費の一層の節減を図ったところであります。

さらに、年度途中で職員給与の独自削減を行うとともに、塵芥の収集運搬や最終処分場の運営管理等の委託業務について契約方法を見直し、従前の随意契約から債務負担行為を設定し、複数年度契約を柱とする競争入札へ移行することにより、委託料の一層の節減を図るなど、厳しい財政状況に対応してきたところであります。

平成16年度の一般会計・各特別会計の決算状況は次のとおりであります。

1.一般会計

平成16年度一般会計予算は、当初250億6千万円で編成しましたが、その後9回の補正を行った結果、最終予算額は前年度からの繰越明許分8億1,493万8千円を含め255億7,900万5千円となりました。
これに対し、決算は歳入総額223億1,302万3千円、歳出総額217億4,826万7千円で差引5億6,475万6千円の剰余金をもって決算を了しました。
歳入については、別表1「平成16年度一般会計歳入決算の状況」のとおりです。
その内訳をみると、市税については対前年比0.4%減、2,114万1千円の減となり、収納率は総体で87.6%となりました。
地方交付税のうち、普通交付税は基準財政収入額が対前年比2.3%の増、基準財政需要額が対前年比1.5%の増で、交付額は対前年比0.8%増の46億6,416万9千円となりました。また、特別交付税は5億1,103万8千円となりました。
市債については、総額で29億4,340万円(借換え分8億6,850万円を含む)を発行し、市道舗装排水整備事業、キウシト湿原緑地保全事業、亀田記念公園整備事業、登別保育所建替事業、新市民プール建設事業、防火水槽新設事業等に充当したほか、恒久的減税等による財源補てんのため、減税補てん債として9億2,340万円(借換え分8億6,850万円を含む)を借り入れたほか、地方交付税制度の見直しによる臨時財政対策債(赤字地方債)を7億7,070万円借り入れました。
歳入の構成については、別表4「自主財源と国・道依存財源の状況」のとおり、自主財源の占める割合が対前年比2.9%増の37.1%となりました。
次に歳出については、別表5「歳出性質別決算の状況」のとおり、人件費・扶助費・公債費の義務的経費に118億82万8千円(54.2%)、普通建設事業費等の投資的経費に33億2,440万2千円(15.3%)、その他経費に66億2,303万7千円(30.5%)を支出し、総額217億4,826万7千円となりました。

2.国民健康保険特別会計

国民健康保険事業については、平成17年3月末現在で加入世帯数は10,877世帯、被保険者数は18,897人となっています。
決算については、別表8「平成16年度国民健康保険特別会計決算の状況」のとおり、歳入総額57億4,850万3千円、歳出総額52億1,961万4千円で差引5億2,888万9千円の剰余金をもって決算を了しました。
歳入総額の24.3%を占める国民健康保険税は、調定額23億8,758万1千円に対して収入済額13億9,898万9千円で、収納率は現年課税分で89.8%、滞納繰越分を含めると58.6%となりました。
一般会計からの繰入金は、保険基盤安定分2億4,356万8千円、国保財政安定化支援事業分1億4,914万8千円、人件費・事務費・出産育児一時金の一般財源分1億2,730万7千円、保険税申請減免分351万2千円の繰入れを受け、対前年比8.0%の減となりました。

3.学校給食事業特別会計

学校給食事業については、別表9「平成16年度学校給食事業特別会計決算の状況」のとおり、歳入歳出それぞれ3億2,846万円で決算を了しました。
歳入については、一般会計からの繰入金が対前年比4.8%減の1億2,210万4千円となりました。
歳出については、人件費・物件費・維持補修費・補助費等の運営経費3億1,564万6千円、普通建設事業費294万円、公債費868万7千円、その他経費として118万7千円を支出しました。

4.公共下水道事業特別会計

公共下水道事業については、平成17年3月末現在の供用開始地区面積955.1ha、普及率は84.0%、水洗化率は73.4%であります。
決算については、別表10「平成16年度公共下水道事業特別会計決算の状況」のとおり、歳入総額32億8,269万5千円、歳出総額32億7,977万3千円で差引292万2千円の剰余金をもって決算を了しました。
歳出については、人件費・物件費・維持補修費・補助費等の運営経費6億1,168万8千円、普通建設事業費16億1,600万4千円、公債費10億4,500万1千円、その他経費として708万円を支出しました。

5.老人保健特別会計

老人保健事業については、別表11「平成16年度老人保健特別会計決算の状況」のとおり、歳入総額64億1,069万3千円、歳出総額64億5,821万6千円で差引4,752万3千円の歳入不足となったため、繰上充用金をもって措置しました。
歳入不足額については、支払基金交付金及び国・道支出金が翌年度において精算されることから生じたものです。

6.簡易水道事業特別会計

簡易水道事業会計については、別表12「平成16年度簡易水道事業特別会計決算の状況」のとおり、歳入歳出それぞれ4,389万2千円で決算を了しました。
歳入については、一般会計からの繰入金が対前年比8.7%増の2,443万1千円となりました。
歳出については、物件費・維持補修費・補助費等の運営経費831万3千円、普通建設事業費1,827万円、公債費1,730万9千円を支出しました。

7.介護保険特別会計

介護保険特別会計の保険事業勘定については、別表13「平成16年度介護保険特別会計決算の状況」のとおり、歳入総額24億8,885万5千円、歳出総額24億2,578万2千円で差引6,307万3千円の剰余金をもって決算を了しました。
歳出については、保険給付費として歳出総額の93.5%に当たる22億6,882万2千円を支出しました。
また、介護サービス事業勘定については、歳入歳出それぞれ14万3千円で決算を了しました。

以下、主要な施策の成果の概要を総合計画の柱立てに沿って説明します。

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