登別市まちづくり基本条例(素案:検討委員会)

公開日 2013年03月13日

平成16年7月作成

登別市まちづくり基本条例検討委員会

登別市まちづくり基本条例(素案) 目次

前文

第1章 総則

第1条 目的

第2条 まちづくりの基本理念

第2章 情報の公開と共有

第3条 情報を知る権利

第4条 情報の提供

第5条 情報共有のための制度

第6条 説明・応答責任

第7条 個人情報の保護

第3章 市民参画の推進と協働

第8条 市民参加の権利と責任

第9条 参加機会の保障

第10条 男女共同参画

第11条 市民投票制度

第4章 連携と協力・協働

第12条 コミュニティ

第13条 コミュニティにおける市民の役割

第14条 市とコミュニティの関わり

第15条 市外の人々との連携

第16条 近隣自治体等との協力

第17条 国・道との協力

第18条 国際協力活動

第5章 行政の政策活動と市民との協働

第19条 総合計画

第20条 財政運営等

第21条 行政評価

第6章 行政組織と職員政策

第22条 行政組織の編成

第23条 危機管理

第24条 職員政策等

第25条 職員の報告

第26条 出資団体等

第7章 議会の役割

第27条 議会の情報公開

第28条 議会の市民参加

第29条 議会の自由討議

第30条 議会と市長等との関係

第31条 議員の研修体制等

第32条 議会基本条例等

第8章 市民、市長、議員及び職員の責務

第33条 市民の責務

第34条 市長の責務

第35条 議員の責務

第36条 職員の責務

第9章 最高規範性と市民自治推進委員会

第37条 最高規範性

第38条 市民自治推進委員会の設置

附則

 

前文

私たちの登別市は、カムイヌプリをはじめとする多くの山々と多くの川が流れ注ぐ太平洋に囲まれ、さらにアイヌ神謡集にも謡われた自然豊かなまちであります。また、登別市は、世界各国から多くの人が訪れる泉源豊富な湯のまちでもあります。
このような自然豊かなまちを後世に引継ぐことは、私たちの責任であることを市民誰もが深く認識するとともに、これからの個性的で魅力あるまちづくりには、自己決定・自己責任のもと、市民が一体となって取組むことが求められています。
そのためには、多くの市民がまちづくりに参画できる仕組みが必要であることから、この条例を制定するものであります。

登別市まちづくり基本条例 (素案)

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第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、登別市のまちづくりの基本理念を明らかにするとともに、まちづくりの主体者である市民並びに行政・議会のそれぞれの役割や責任を明確にし、互いが協働して創造的、継続的なまちづくりを推進し、公正・公平・公開を原則とする市民自治の実現を図ることを目的とする。

(まちづくりの基本理念)

第2条 まちづくりは、次に掲げる基本理念に基づき運営されなければならない。

(1)市民は、市民自治を実現するために自ら学び、市民の権利を行使し、まちづくりに関わらなければならない。

(2)市民の知る権利を保障するとともに、十分な説明責任を果たし、情報をを共有すること。

(3)市民がいつでもまちづくりに参加でき、また、市民の参加の意欲を高めるため、まちづくりのそれぞれの過程において参加の機会の保障をすること。

(4)市民、近隣自治体、道及び国との役割分担を明確にするとともに協働・協力によって、登別市の課題の解決を図ること。

(5)総合計画、財政運営、行政評価等政策活動の質を高めるために必要な制度の確立及び運用の原則を明らかにすること。

(6)市民にわかりやすい簡素で効率的な行政組織を編成するとともに、市職員の政策形成能力の開発に努めること。

(7)議会は市民の信託を受けた議員によって構成される意思決定機関であることから、広くまちづくりの課題と争点を明らかにし、執行機関を監視、牽制するなかで、登別市にとっての最良の意思決定をすること。

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第2章 情報の公開と共有

(情報を知る権利)

第3条 市が保有する情報は、市民の財産であり、私たち市民は、市が保有するまちづくりに関する情報について知る権利を有する。

(情報の提供)

第4条 市が保有する情報は、市民と市の共有物であって、市民にわかりやすく提供するとともに、市民が迅速かつ容易に取得できるよう整理し、保存しなければならない。

2 市は、提供した情報に対する市民からの意見、提言等をまちづくりに反映するよう努めなければならない。

3 市民は、提供された情報を積極的にまちづくりに生かさなければならない。

(情報共有のための制度)

第5条 市は、情報の共有を進めるため、市民参加、総合計画、行政評価、財務会計等に関する情報が総合的に結びつくように努めるものとする。

(説明・応答責任)

第6条 市は、まちづくりに関して公正の確保と透明性の向上を図るため、市民にわかりやすく説明する責務を有する。

2 市は、まちづくりに関する市民の説明の求めに対して、誠実に応答する責務を有する。

(個人情報の保護)

第7条 市は、市民個人の権利及び利益が侵害されることがないよう、個人情報の収集、利用、提供、管理等に関して必要な措置を講じなければならない。

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第3章 市民参画の推進と協働

(市民参画の権利と責任)

第8条 私たち市民は、まちづくりの主体者としてだれでも自由に、お互いに平等な立場でまちづくりに参画する権利を有する。

2 私たち市民は、まちづくりの活動において自らの発言と行動に責任を持ち、自らできること、なすべきことを考え行動するよう努めなければならない。

3 私たち市民のまちづくり活動への参画に関しては、自主性や自律性が尊重されるものであり、何人からも不当な関与や不利益を受けない。

(参画機会の保障)

第9条 市は、まちづくりの基本的な事項を定める計画や条例の立案に当たっては、案の決定に至るまでの手続、必要な情報の作成及び公開、市民参画の方法等を明らかにして、市民参画を推進しなければならない。

2 市は、市民が参画する権利を行使しやすい環境を整備しなければならない。

3 市は、市民からの意見・提案を把握し、これをまちづくりに反映させるよう努めなければならない。

(男女共同参画)

第10条 市は、男女が社会の対等な構成員であることを認識し、市の政策立案及び決定に際しては、共同で参画する機会を確保しなければならない。

(市民投票制度)

第11条 市は、登別市に関わる重要事項について、直接、市民の意思を確認するため、市民投票制度を設けることができる。

2 市民投票に参加できる者の資格、その他市民投票の実施に必要な事項は、それぞれの事案に応じ、別に条例で定める。

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第4章 連携と協力・協働

(コミュニティ)

第12条 私たち市民にとって、コミュニティとは、市民一人ひとりが自ら豊かな暮らしをつくることを前提としたさまざまな生活形態を基礎に形成する多様なつながり、組織及び集団をいう。

(コミュニティにおける市民の役割)

第13条 わたしたち市民は、まちづくりの重要な担い手となりうるコミュニティの役割を認識し、そのコミュニティを守り、育てるよう努める。

(市とコミュニティの関わり)

第14条 市は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、その非営利的かつ非宗教的な活動を必要に応じて支援することができる。

(市外の人々との連携)

第15条 私たち市民は、社会、経済、観光、文化、学術、芸術、スポーツ、環境等に関する取組みを通じて、市外の人々の意見や提言をまちづくりに活用するよう努める。

(近隣自治体等との協力)

第16条 市は、近隣自治体や研究機関の自主性及び自律性を尊重するとともに、相互理解を深め、まちづくりを推進するものとする。

2 市は、自治体に共通する課題の解決を図るため、道内及び道外の自治体との連携、協力及び交流に努めるものとする。

(国・道との協力)

第17条 市は、国及び道と対等かつ協力の関係にあることを踏まえて、自らの公共課題の解決を図るとともに、登別市の自主的、自律的発展のために、国及び道に対して政策及び制度の改善等に関する意見・提案を積極的に行うものとする。

(国際協力活動)

第18条 市及び市民は、地方自治の確立と発展が国際的にも重要なものであること、また、平和、人権、環境及びエネルギー等の地球規模の諸問題に関する自治体の責任と役割の増大を深く認識し、まちづくりその他の各種分野における国際的な交流及び連携に努めるものとする。

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第5章 行政の政策活動と市民との協働

(総合計画)

第19条 市は、市の将来のあるべき姿を明らかにし、これを総合的かつ計画的に実現するための基本構想及び基本計画(以下「総合計画」という。)を策定する。

2 総合計画は、この条例の基本理念にのっとり、広く市民の参画を得て協働により策定されなければならない。

3 総合計画を具体的に実施するにあたり、実施計画を策定する。

4 実施計画において実施する政策は、一覧表で表示するとともに、各政策の財源及び達成目標を数値で示さなければならない。

5 市が行う政策は、法令の規定によるものまたは緊急を要するもののほかは、総合計画に根拠を置かなければならない。

6 総合計画以外に特定の政策分野における基本的な方向を明らかにする個別計画等を策定する場合は、総合計画との関係を明確にするとともに、策定後においても総合計画との十分な調整のもとで進行を管理しなければならない。

7 総合計画をはじめとする諸計画は、これらが行政評価において最も重要な政策の検証基準になることを、あらかじめ想定して策定されなければならない。

(財政運営等)

第20条 市は、市の財政の状況を総合的に把握して的確な分析を行い、もって明確な方針のもとに最少の経費で最大の効果をあげる健全な財政運営を行うものとする。

2 市の予算は、財政計画のほか、総合計画及び行政評価等をふまえて編成しなければならない。

3 市は、市民負担のあり方や市有財産の活用等の検討とともに、市の自立的な財政基盤の強化に努めなければならない。

(行政評価)

第21条 市は、市民から信託された市政を効果的かつ効率的に運営するとともに、市政の透明性を高め説明責任を果たすため、行政評価を実施しなければならない。

2 評価の実施に当たっては、評価に資する適切な情報を作成、公開するとともに、市民、議員及び職員の参加により行うものとする

3 評価は、できる限り客観的な手法を用いて実施することとし、その結果を公表するとともに、政策立案、予算編成、機構改革及び職員政策等に反映させるものとする。

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第6章 行政組織と職員政策

(行政組織の編成)

第22条 市の組織は、市民にわかりやすいものであると同時に、この条例に定める行政運営の基本原則並びに社会経済情勢及び市民の要望等の変化に的確に対応できるよう柔軟に編成されなければならない。

(危機管理)

第23条 市は、市民の身体・生命及び財産の安全性の向上に努めるとともに、市民、関係機関との協力・連携及び相互支援による危機管理体制を確立しておかなければならない。

(職員政策等)

第24条 市は、効果的な行政を遂行するため、職員定数の適正化に努めるとともに、人事政策を計画的に実施しなければならない。

2 市は、市民の市政参加に準じ、職員個人、職制、部課及び職員団体等による多様な職員参加を行うものとする。

3 市は、職員の政策能力の向上を図るため、政策課題の発見及び政策技術の習得、革新のため研修体制の充実に努めなければならない。

(職員の報告)

第25条 市の職員は、市の行政執行の公正を妨げ、市政に対する市民の信頼をき損するような行為が行われていることを知ったときは、勇気をもって、その事実を次項に規定する機関に報告しなければならない。

2 市長は、前項に規定する市の職員の報告を調査する機関として、行政適正化委員会を設置するとともに、この機関において改善すべき事実が確認された場合は、その内容を公表し、厳正かつ適正な措置を講じなければならない。

3 市長は、第1項に規定する市の職員の行為が、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第30条に定める服務の根本基準に反しない限り、当該行為を理由に当該職員に不利益となる措置を行ってはならない。

4 市の職員の報告の対象及び手続、当該職員の保護、行政適正化委員会の所掌事務及び権限並びに委員の委嘱、市長の措置等については、別に制定する行政の適正化に関する条例において定める。

(出資団体等)

第26条 市は、市が出資や補助、事務事業の委託または職員を派遣している団体(以下「出資団体」という。)に関し、必要に応じて当該団体の運営体制、事業展開、経営状況等に関する情報の開示を求めることができる。この場合において、当該団体は、情報の開示に協力しなければならない。

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第7章 議会の役割

(議会の情報公開)

第27条 議会は、自らの活動を活性化させるため必要な情報を積極的に作成、公開するとともに、市民の市政に対する関心と参加意欲を高めるため、議会の活動を広く市民に公開して、市民に対する議会の説明責任を果たさなければならない。

(議会の市民参加)

第28条 市民を代表する議会は、その代表としての性格にかんがみ、市民参加を推進し、市民との連携によって活動の成果をあげなければならない。

(議会の自由討議)

第29条 議会及び議員は、議会の本質が言論の府であることを認識し、議員間の自由な討議の推進を重んじなければならない。

(議会と市長等との関係)

第30条 議会は、市民の信託を受けた二元代表制の議決機関として市長等の行政機関と積極的な議論を行い、行政執行を監視、評価しなければならない。

2 議長から本会議及び委員会への出席を要請された市長及び行政機関の職員等は、当該会議において議員等の質問に対し反問することができる。

(議員の研修体制等)

第31条 議会は、この条例に規定する議員と議会の任務を効果的に遂行するため、自己の能力を高めるよう努めなければならない。

(議会基本条例等)

第32条 議会は、この条例が議会に関して定める原則に基づき、別に議会基本条例及びこれに基づく条例を制定して、議会に関する制度と運営の仕組みを総合的かつ体系的に整備しなければならない。

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第8章 市民、市長、議員及び職員の責務

(市民の責務)

第33条 私たち市民は、まちづくりの主体であることを認識し、この条例で定める知る権利及び参加の権利等を積極的に行使して、地域社会の発展に寄与するよう努めるものとする。

(市長の責務)

第34条 市長は、この条例に定めるまちづくりの基本理念及びこれに基づいて創設される制度を遵守して市政を推進し、もって市の代表者として市民に対する自己の直接の政治責任を果たさなければならない。

2 市長は、自らが任命権者である市の職員に対して、この条例に定めるまちづくりの基本理念及びこれに基づいて創設される制度の遵守を不断に求めるとともに、職員がそれを確実に実行するための環境を整備しなければならない。

(議員の責務)

第35条 議員は、この条例に定めるまちづくりの基本理念及びこれに基づいて創設される制度を遵守して市政を推進し、もって市民の利益を代表する合議制機関の一員として市民に対する自己の直接の政治責任を果たさなければならない。

2 議員は、前項に規定する任務を遂行するため、市民と連携し、かつ、市長等の行政機関との緊張関係を維持して、不断に議会改革を推進しなければならない。

(職員の責務)

第36条 市の職員は、その職責が市民の信託に由来することを自覚し、この条例に定めるまちづくりの基本理念及びこれに基づいて創設される制度を遵守して職務を遂行しなければならない。

2 市の職員は、市民の意向や地域の政策課題に的確に対応していくため、自ら市民の一員であることを自覚し、市民としての発想に立って政策能力の向上に努め、職務を遂行しなければならない。

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第9章 最高規範性と市民自治推進委員会

(最高規範性)

第37条 この条例は、市政運営における最高規範であって、市は、この条例に違反する条例、規則の制定その他の行為をしてはならない。

2 市は、この条例に定めるまちづくりの基本理念に照らして、不断にその他の条例、規則等の制定改廃に努めなければならない。

(市民自治推進委員会の設置)

第38条 市は、この条例の目的を達成するため、市民自治推進委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会の役割は、次のとおりとする。

(1)この条例に沿った市民自治の推進の検証

(2)前号における検証結果に基づく提言及び公表

(3)協働のあり方についての検討

(4)この条例の見直し提案

(5)この条例に関わる異議申立ての受付及びその調査・勧告

3 委員会委員の任期は、2年とする。

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