平成31年第1回定例記者会見

公開日 2019年01月07日

場所:第2委員会室

平成31年第1回定例記者会見

1.市長あいさつ

新年おめでとうございます。

記者の皆様におかれましては、健やかな新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。

また、この場をお借りしまして、昨年一年間、記事を通して、このまちの情報などを発信していただきましたこと、心から御礼を申し上げます。

今年も一年、皆様方とまた情報交換、情報提供をしていきたいと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

昨年を振り返りますと、北海道全体に大きな影響を与えた『平成30年北海道胆振東部地震』がございました。

市内におきましては、一部の家屋などの損壊が発生したのみで、人的被害はありませんでしたが、約2日間の停電は、市民の皆様、当市を訪れる観光客の皆様に『大きな不安』と当市の基幹産業である観光産業に『経済的な打撃』をもたらしました。

地震発生当初につきましては、平成24年11月に送電鉄塔の倒壊による大規模停電を経験していた当市でありますので、停電発生直後から、迅速に初動体制を執り、対応することができました。

また、登別市連合町内会をはじめとした市民の皆さんが、普段から話し合いを重ね、取り組んでいた自主的な災害への備えが、結果として表れたことは、非常にありがたく思っております。

6年前の大規模停電時に、私が町内会の皆様とお話ししたことは、市としてできることは限られているので、ぜひ市民の皆様のお力添えを借りたいということでした。そこから、市民の皆さんや議会の皆さんが自主的に自分たちの手と足で動いていただきました。

そのような中において見つかったいろいろな課題を、いつ発生するか分からない『次』の災害への備えとして、現在、策定に向けて取り組んでいる『業務継続計画(BCP)』や『避難所運営マニュアル』などに反映させてまいります。

また、受援計画や後方支援計画など、その他多くの計画についても、職員と共に、市民の皆さんから参考意見を伺いながら作り上げていきたいと考えております。

次に、まちづくりの根幹の一つであります『人づくり』についてですが、当市が持続的な発展を続けるためには、子どもたちの豊かな人間性や社会性を育み、心身ともに健やかに成長できる環境づくりが特に重要であると考えており、平成30年においても、さまざまな取り組みを進めてまいりました。

地域に根ざした教育環境の充実を図るとともに、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、子どもたちの夢を育み、市民のスポーツに対する意識を高めるため、平成28年度から、オリンピアンによる講演会や実技講習会を開催してきたところであり、昨年においては、日本の男子卓球界を牽引する『丹羽孝希選手』をお招きし、多くの子どもたちに世界レベルのテクニックを肌で感じていただきました。

また、平成29年12月にこれまで長きに渡り交流を続けてきたデンマーク王国のホストタウンに登録されたことから、昨年には駐日デンマーク王国大使による講演会や市内の学生との交流を行ったほか、デンマーク王国の福祉やデジタル化の取り組みを研究されている方を国際理解講座の講師に招くなど、市全体でデンマーク王国への理解をより深め、国際交流の推進を図ってきたところです。

今後も、東京2020オリンピック・パラリンピックのスポンサーをはじめとした、さまざまな企業と連携し、スポーツの素晴らしさを学び、子どもたちはもちろん、市民が夢や希望をもつきっかけづくりとなる取り組みを引き続き、進めてまいります。

さて、今年2019年の市政運営についてでございますが、2019年度は2年に一度実施している総合防災訓練の実施年度であります。

これまで以上に防災に興味をもっていただき、より多くの人に参加していただくため、肌で感じることができる訓練を充実させたいと考えており、現在、鷲別地区を会場とした実施に向けて、関係機関との調整を進めているところであります。

現在、予定している訓練内容としましては、防災行政無線を手動で操作し、情報伝達を図る『防災行政無線屋外拡声子局手動操作訓練』や実際に避難所を開設し、運営にあたる『避難所開設・運営訓練』、非常用発電機の起動を体験する『発電機操作体験』などを予定しております。

このほかにも、『見るだけ』ではなく、実際に『体験する』参加型の訓練を数多く実施したいと考えておりますので、記者会の皆様におかれましても、ぜひ、ご参加いただき、情報発信をお願いいたします。

また、全国的に進展する急速な人口減少や少子高齢化に対応できるまちづくりを進めるため、現在、都市計画に関する基本的な方針である『都市計画マスタープラン』の見直しを進めているところであります。

昨年においては、『現在ののぼりべつ』における都市機能の分析を行うとともに、10月のアンケート調査から、市民の皆様が描くまちの将来像を取りまとめているところでありますので、平成31年には、市民の皆様との対話の場となる市民会議などを定期的に開催し、今後のまちづくりの方針の策定に向けた協議を加速させてまいります。

将来のまちのあるべき理想像などの姿を描いた『登別市総合計画基本構想』を実現するためのまちづくりの方向性を示した『登別市総合計画第3期基本計画』は、平成31年度より、第2次実施計画へと移行してまいります。

毎年度、事務事業評価により、実施計画における主要事業の進ちょく状況や達成状況を検証し、計画の適正な進行管理に努めているほか、ローリングシステムにより、社会経済情勢や市民ニーズなどの変化に的確に対応しているところですが、平成31年度には、第1次実施計画の仮総括として、基本計画に対する市民の満足度や新たなニーズなどを把握するため、市民4,000人を対象とした『まちづくり意識調査』を実施し、これまでの取り組みの成果を検証してまいります。

また、『まちづくりの拠点』、そして『防災の要』ともなる市役所本庁舎につきましては、協働のまちづくりの理念のもと、市民の皆様との対話を重ね、昨年9月に建設にかかる基本構想を策定したところでありますので、平成31年度については、基本計画の策定に着手します。現在の登別市を築き上げてきた先人の足跡を後世に伝える『新登別市史』については、市制施行50周年を迎える2020年の刊行を予定していることから、編さん作業を本格化させるなど、将来も魅力あるまちづくりを一歩一歩進めてまいります。

新登別市史は、特にデジタル媒体などを駆使して記録を残して行きたいと考えています。現在、多くの先達との対談をビデオにしたり、石碑等をどのようにデジタル化させるか、観光にもつなげることができるかなど、検討していきたいと考えております。

 それでは、例年、発表させていただいております2019年の漢字について、紹介させていただきます。昨年は、『形』として、市役所新庁舎に向けての考え方や基本構想をまとめ上げたほか、消防支署の新庁舎については、現在、中登別町に建築を進めており、新生・若草地区においては、千代の台団地の基礎工事に着工しているところであり、さまざまなものを『形』づくれたものと考えております。また、昨年、供用を開始した鷲別小学校を活用した総合防災訓練を開催し、これからも防災の観点で注目を浴びていくことができればありがたいと思います。

今年は『備』という字にさせていただきました。

先ほどからお話ししている 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を観光振興や経済発展につなげていきたいと思いますし、隣町におけるウポポイの開設に向けた準備も進めていかなければならないと思います。

さらに、来年は皆さんご存じのとおり市制施行50周年の記念すべき年でございますので、その1年前ということでの準備の年でもあります。

いろいろな意味で備えをしていかなければいけない年と認識をして、アンテナを広げながら、時間を大切に使っていきたいと思っております。

結びになりますが、2019年4月30日に『平成』という元号が終わりを告げます。

準備の年としては、新元号になってからもどのように登別市政を運営していくか、希望をもった夢のあるまちづくりをまい進してまいります。

皆様のお力添えをいただきながら、それぞれの目標に向かって一歩一歩進めるとともに、さまざまな可能性を探しながら、『将来ののぼりべつ』にとって大きなレガシーとなるよう市民の皆様とともに、取り組んでまいります。

 本年が、市民の皆様、また、記者の皆様にとって、幸多き年となりますよう祈念し、新年のごあいさつとさせていただきます。

 

2.質疑応答

(北海道新聞社):市役所新庁舎の建替えについてですが、北海道胆振東部地震の際には津波被害がなかったこともあり、市役所が指揮所としてかなり機能し、混乱は少なかったと思いますが、新庁舎の建設予定地が、現在地の浸水区域であることを考えたとき、津波による浸水被害が合った場合、市役所機能が著しく損なわれることが想像されます。高い建築物ということで、避難所としては安全安心かもしれませんが、実際に市職員が指揮命令を下し、市民の混乱を避けることについては不安な点があるのではないかと推察するが、本庁舎の建て替え場所を変更する考えは。

 

(市長):北海道胆振東部地震の際、災害対策本部は市民の力添えをいただきながら、協働のまちづくりの一つの完成形として、うまく機能していたのではないかと思っています。新庁舎の基本構想をまとめるにあたって、一番は地震が発生した場合の津波浸水にどう耐えうるかどうかというところが焦点でした。当初は、耐えることができないという考えで、高台への新設を最優先としていました。しかし、地区懇談会を重ねるなかで、それ以上に高齢者の方が平時の際に来るであろう市役所が高台ではおぼつかないという声を多くいただきました。そこで、高台ではない場所で、どのようにしたら高台に匹敵するほどの津波に耐えうる庁舎となるかに焦点を置き、基本構想としての考えをまとめました。4階建ての鷲別小学校が人口高台となったことも、自信となりました。4階に防災機能を有しているものは、特に教育施設では北海道にはなく、多くの視察が来ている状況です。このことを一つの糧として、避難所機能と災害対策本部を継続できる庁舎機能が有していることを前提に基本構想を考えました。

また、消防本部本署機能が、現在地ではない高台に検討していることも一つありました。将来高台にできるであろう消防本部本署が第2の災害対策本部となれるような補完機能を持ち合わせられる可能性を頭に入れながら、基本構想のいくつかの選択肢の中で、平時も含めて1番使いやすいこの場所がベターであろうと市民の皆様に地区懇談会でお示しし、意見交換など、2年間をかけた上で、この界隈にしようと決定したところであります。

 

(北海道新聞社):災害対策本部機能は、津波浸水が発生した場合、今度できる高台の消防本部本署に移るということか。

 

(市長):あくまで補完機能としてであります。津波浸水が発生した場合にリエゾンや各防災機関、自衛隊の車両などを一時的に避難できる土地の確保などを含め、高台が良いのではないかと検討しております。本庁舎における災害対策本部が途中で切れることがないことが第一としながらも、いざというときに、災害対策本部機能が移行できるようにしたいと思います。

 

(北海道新聞社):最初の基本計画から思っていましたが東日本大震災の際に、津波が押し寄せ、水が引いたあとであっても、流木などにより簡単に出られないということがあった。避難してきた方は施設内で命をつなぐことができる可能性はあるが、そこから職員が動いて何かをしようとすることは非常に困難であると思います。そのことについては、これから考えられるということか。

 

(市長):対策などの検討についてはこれからですが、ポリシーとしては、市役所が行うべき役割として、いかに正確な情報を早く伝えることできるかが重要と考えております。このことを遂行できるのであれば、仮に周りが水浸しで出られなかったとしても、各地域に情報が発信できるかと思いますし、仮に職員が行けない場合については、違う避難所などから、的確な情報を発信していく。このことが重要だと考えており、職員が助けるためにマンパワーで何かをすると言うことは、これからは無くしていかなければならないと思っています。あくまでも自主的に市民自らが行動できる、そういった自主防災組織の形成と充実が大事であると思います。市役所の役割として正確な情報を迅速に出す。ここを一番に新庁舎の建設に向けて進めていきたいと考えています。その補完機能については、市民会館でも鷲別公民館でもどこにでも可能性があるかと思いますので、今後検討していかなければならないと思います。本件については、貴重なご意見として、議論の中にいれていきたいと思います。

 

(室蘭民報社):総合防災訓練の実施予定時期や対象となる住民、どういったエリアの方を想定しているか。

 

(市長):総合防災訓練の実施時期については、これまでは秋に実施することが多かったですが、鷲別小学校を主会場と予定しており、早める可能性がありますが、まだ未定です。対象者については、津波を想定した訓練を予定しているため、沿岸沿いの大和町から富岸地区を含め、鷲別地区については全域となります。鷲別地区の方の避難は自然高台に逃げてもらうのが基本です。

鷲別小学校は、津波避難ビルで、自然高台への避難が間に合わない場合の緊急的な避難所となります。放送が流れてたあとは、まずは山に逃げていただくことになります。何らかの理由で逃げることができない場合は、鷲別小学校の4階以上に、避難していただきます。市民のニーズとしては、非常に高く、臨時でなくても良いのではないかということが鷲別地区の皆さんから聞いていますが、この訓練を受けて、津波以外のときに臨時避難所のままとするかどうかを、市民の皆さんからいただいた課題として議論していきたいと思います。

 

(室蘭民報社):JR登別駅について、以前の記者会見の中で、JR北海道による総額の算出が早ければ年内というお話もあったが、現時点で、JR北海道からの話はあったか。

 

(市長):まだ聞いていません。金額設定は2段階3段階とあり、一番高い金額では7億という話も聞いておりますが、いくらかになるかは今後のJR北海道の工務部と話すと聞いています。実際に金額が出て、折半するのか予算配分するのかなどという話し合いを行い、私の口から発表したいと思います。市の責任として、プラットホームのバリアフリーに関しては責任もって実施したいと考えています。現時点では、どのような形になっても、可能な限り実施の方向で前向きに進めていきたいと考えており、余程の無理難題の交渉ではなければ、進めて行きたいと考えています。ただし、駅周辺の整備並びに登別地区の再開発、生活基盤の安定、これは、商店街だったり、婦人センターであったり、JCHO登別病院であったり、そういったこれから立地する位置関係によっては、経済機能や生活機能が変わってくると思いますので、改めて第3期基本計画の第2次実施計画の中で常に更新をしながらやっていかなければならないと思います。

 

(北海道新聞社):プラットホームのバリアフリーを進めるということは、エレベーターの設置を断念した場合も進めるという認識でよろしいか。

 

(市長):基本として、エレベーターを設置します。これから春節のシーズンには、荷物を運ぶポーターサービスを行いますが、バリアフリーの一つ意図としては、どちらかというと利便性を高めるためのものであります。車いすを利用されている方などのお手伝いではありません。バリアフリーとしては、福祉的機能の中にあるバリアフリーを定義付けしたいと思っており、エスカレーターだけではその機能を有しないことになるかと思いますので、どうしてもエレベーターが無ければならないということで交渉していきたいと思います。断念する場合があるとすれば、予算的なことというよりは、JR北海道側の何かしらの理由になるかと思います。市としては、工事を自ら発注してでもやりたいです。しかしながら、そういった訳にもいかず、JR北海道のマンパワーの中で工事をやるという状況ではありますが、何とか変えていきたい。そういう願望も含めながら交渉していきたいと思います。

 

(室蘭民報社):統一地方選挙に高橋はるみ知事が参院選に出馬されるということで16年ぶりの知事選挙が行われる情勢です。まだ、だれが出馬するかは決まっていない状況ですが、現時点で市長が新しい知事に望むことはあるか。

 

(市長):現高橋はるみ知事の体制は、応援させていただきましたので、これまで長きにわたって北海道制を牽引してきた現知事に敬意を表したいと思っていますし、政策に対して大きな異論はございません。ただ、新しい知事に対しての願望とするのであれば、観光立国日本の中の北海道は都道府県の中でも、いろいろなところで上位につけている北海道でありますので、一国になるぐらいのつもりで自発的・自主的な観光立国北海道といえるような北海道を目指していただける知事になっていただけると我々も誠心誠意、全ての自治体が一つになって北海道という土地を盛り上げていけるのではないかと思っています。いろいろな政策をしてきた髙橋知事の功績は大きいと思いますので、新知事についても、これらの功績を上手に活用していっていただければというのが願いです。

 

(北海道新聞社):都市計画マスタープランの交通政策で具体的な想定はあるのか。

 

(市長):室蘭市の立地適正化計画の中では、居住区の設定であったり、公共交通の設定をしており、白老町も立地適正化計画ではない別計画の中で交通政策を町民の皆さんとの意見交換の中で進めています。間に挟まれている登別市としては、なかなか市単独では作れていないものですから、市民の皆さんとともに公共交通形成であったり交通網の連携が図れるのであれば、広域として室蘭市と白老町の広域交通形成を図るお願いをしているところです。

両首長からも言われてますので、早い内に計画ができる、できないは別として、2つの自治体の考え方に我々が適合できるかを考えて内容を市民に提示して、JR登別駅と登別温泉の交通網だけではなく、虎杖浜温泉地区、ウポポイまでの交通形成をどうするかということも考えたいと思っています。そのほか、室蘭市が頑張っている子育て施設や新図書館、青少年会館を共有させていただくためには、生活基盤の拡充という意味で登別市民と室蘭市民が生活の場面で支障の無いような利便性が高まるように、交通路線はどうするか、バスの路線計画やレンタカーも含め、どういったに魅力付けをするか考えたいと思います。その中には、登別市と白老町にはない道の駅の話が、もしかしたら浮上するかもしれません。室蘭市の道の駅との連携や高規格道路高速道路とのつながり、交通路線でいうと、登別市としては2車線を4車線の拡充して動脈である国道36号を渋滞させない、交通事故に遭わせないなど、そういった交通形態の作り方を考えていきたいと考えています。

 

(北海道新聞社):道の駅を検討するということか。

 

(市長):その話題が出てくる可能性は十分にあると思います。

 

(読売新聞):観光を重視しているということですが、例えば小樽市では、ご当地観光検定というものがありますが、登別市では考えていかないのか。

 

(市長):民間で数年前にすでにあったかと思います。特に登別温泉に特化しているところがあったかと記憶していますが、我々としては全市観光としてやりたかったので、登別商工会議所青年部が、先の道南大会が作ったかるたなどを通して全市の魅力を紹介したいと考えています。ご当地検定みたいなものを行政がやっているということは、聞いたことはありますが、登別市としては現段階ではまだないかと思います。ただ、それが観光振興に直接的につながるということであればやるべきだとは思います。ただし、インバウンドに関していうと、ご当地検定で地元の人の意識を高めることよりも、外国語が話すことができ、外国から来た方との人脈形成ができることの方が急務と思っています。そういった意味では、SNSを活用して、ツイッターで影響のあるインフルエンサーをマイスの枠組みで呼び、力を借りて世界発信することの方かかなり効果があるのではないかと思っています。

 

 

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