公開日 2018年01月09日
場所:第2委員会室
1.市長あいさつ
皆様、新年おめでとうございます。本日はお忙しい中、ご出席をいただきまして心から感謝申し上げます。
また、皆様におかれましては、健やかに新春を迎えられたこと心からお慶び申し上げます。
旧年中は、市政に関して報道などでご協力を賜り、重ねて感謝申し上げますとともに、本年も1年、皆様のお力添えをいただきまして、市民の皆様へのさまざまな情報提供にご協力いただければと思います。改めてよろしくお願い申し上げます。
さて、平成29年を振り返りますと、まずは、子育ての分野にある程度の力点を置きまして、子どもたちが安心して学び、育まれる環境の整備をこれまで進めてまいりました。
平成29年4月には、鷲別小学校新校舎の供用を開始させていただきました。隣接地へ鷲別児童館の移転・改築も行っており、平成30年2月に完成を予定しています。新たな鷲別児童館には、放課後児童クラブと子育て支援センターを併設する準備を進めているところでございます。
子育て支援拠点であります子育て支援センターは、これまで幌別地区と登別地区に設置してきましたので、このたび鷲別地区への設置で、だいたい全域の子育て中の保護者の不安解消、もしくは健やかに育むまちの拠点として、前進ができるものと考えております。
鷲別小学校をはじめ、教育施設の耐震化につきましては、優先的に全ての体育館の耐震化を済ませました。校舎に関しましては残すところあと5校になります。5校の内訳は、富岸小学校と幌別西小学校、登別小学校、幌別東小学校、そして幌別中学校になります。予定としては、2020年度をもって一定のめどがつく予定であります。
ただ今後、適正配置においては、学校の統廃合、もしくは小・中一貫型という可能性もまだ排除できません。将来的な可能性としては十分起こりえますので、耐震化を図りながらもこちらの政策について、検討してまいりたいと思います。
話は変わりますが、公共施設整備に向けた優先順位について、昨年の第5回定例記者会見でもお伝えさせていただきましたとおり、『市役所本庁舎の建て替え』、『JR登別駅のバリアフリー化の一つとしてのエレベーター設置』、『消防本部・本署の建て替え』ということで、上位3つを掲げさせていただきました。
その中で、地区懇談会においては、さまざまなご意見もいただきましたし、平成29年第4回市議会定例会においても貴重なご提言を頂戴しましたので、平成30年は、そういったご意見を参考とさせていただきながら、さらに検討を深めてまいりたいと思います。
JR登別駅のバリアフリーについて、特にエレベーター設置の部分になりますけれども、エスカレーターという考えはありません。エレベーターということで話を進めているところですが、まず一つは場所の交渉があります。プラットホームのどの場所に設置が可能なのかという話はすでにさせていただいております。場所によって、かかる費用も異なりますので、今年はその点を重点に協議していきたいと思っています。
今後の可能性としましては、場所や耐震、地盤の関係の考えが一致すれば、予算化に向けた話し合いも可能だと思っていますので、我々としては、年度内に1回ないし複数回は交渉を重ねて、予算化までいければ一番の理想かなと思います。相手次第でもありますので、また何か進展があれば、記者会の皆様や議会の場で、情報提供させていただきたいと思っています。
優先順位3位とした消防本部・本署の建て替えについてですが、中登別町への新支署の建設を進めているところであります。市消防職員も一生懸命、新支署と並行して消防本部・本署のあり方について鋭意検討して、ある程度形づくられてまいりましたので、私としても年度内に議会や市民の皆様に情報提供できればと検討させていただいております。
昨年はいろいろなことをさせていただきましたが、昨年11月27日の飲酒運転による本当に大変痛ましい交通事故に関しましては、昨日の成人祭においても注意喚起のお願いをしました。登別市民だけではなくて、北海道民全体の中で意識を高めて「事故に遭わない、起こさせない、起きない」といったいろいろな取り組みを北海道の力を借りて行っていきたいと思います。取り組みの先には、安全安心な道路交通事情が生まれ、観光客のレンタカーなどの活用に拍車がかかってくるのではないかとの期待もありますので、市としましては、交通安全への取り組みにもう少し重点を置いて、どのまちよりも積極的に取り組んでまいりたいと思います。
さて、平成30年の取り組みについて、何点かお話しさせていただきたいと思いますが、まずは、日本遺産の認定に向けた取り組みでございます。
現在、北海道胆振総合振興局と胆振教育局を中心に3市4町の教育委員会の学芸員の皆さんが、文化庁への申請に当たって、計画書の作成を進めているところです。
我々としては、日本遺産へ登録されることで、白老町に開設される民族共生象徴空間とのつながりが一歩深まり、観光振興や教育の振興につなげられると思っていますので、推進協議会を発足させていただいておりますが、当面の目標は、日本遺産に認定されたという前提で、将来的には2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどの時期にあわせて進めていけるような体制づくりを、登別市として提案していきたいと考えております。
ご存じのとおり、東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たり、昨年12月11日、職員の努力もありまして、デンマーク王国のホストタウンに登録されたところです。
これは、20年以上にわたってデンマークのファボー・ミュッドフュン市との縁をつないでくださっている方との交流の深さが、認定の決め手になったものだと思います。この登録が少しでも欧州の方に登別市の良さや登別市を含む北海道の良さを発信できればと期待を膨らませていますので、タイミングを見ながら観光振興を軸にいろいろな情報発信ができる体制を整えていきたいと思います。
そのためにも、新たな体制となった登別国際観光コンベンション協会と共に全市観光だけではなく、全世界に発信できるような話題となる取り組みを展開していきたいと思います。
次に、9月20日が登別市民憲章の制定50年目を迎える日ですので、市民憲章推進協議会を中心に、連合町内会やさまざまな団体のお力添えをいただいて、特に産業に関係する部分、企業であったり、さまざまな産業の団体に対して、この市民憲章というものを再確認できるような情報発信をしていきたいと思っております。
志を高くしながら、将来のまちづくりについて自信と責任をもっていただける5つの章であってもらいたいので、この登別市民憲章の制定50年目をきっかけに、まちが発展できるような展開ができればと思っております。
こういった取り組みが、今から2年後の市制施行50周年でいろいろなことが開花させられればと思っています。
そのために、昨年12月28日に、第1回市制施行50周年記念事業庁内推進委員会を発足したところです。新たな話題や具体的な検討については、第2回目を通して、つくり上げていきます。
現時点では、庁内で推進委員会を立ち上げましたが、将来的には、登別商工会議所や登別国際観光コンベンション協会にも相談しながら、または連合町内会や文化協会、いろいろな団体に相談をし、公民あげて、市制施行50周年を迎えられる展開になればと思っております。
結びになりますが、高橋北海道知事をはじめ、北海道職員の皆さんとお話ししていますが、松浦武四郎が本道を『北海道』と命名してから150年目の節目の年でもあります。
道民の一人として、これまでの北海道の歴史や先達の偉業を振り返りながら、感謝の念をもって、登別市のまちづくりに生かしてまいりたいと思います。
本年が、私たちの新たな力で、登別市が発展できますよう頑張りますので、記者の皆様におかれましても、そういった活動に対してどうかご協力いただけますようお願いを申し上げますとともに、皆様にとっても幸多き年となりますよう祈念し、新年のごあいさつとさせていただきます。
2.質疑応答
(室蘭民報):毎年、漢字一文字を紹介してもらっていますが、今年の漢字は。
(市長):今年は「形」です。この「形」は、どちらかというと私たちがもっている行政課題に対して真摯に向き合って、解決の糸口を必ず見つけ出すためにも経緯と結果を大事にしたいというものです。
これまで、議会や市民の皆様に経緯と結果を表面化させて出しているつもりでしたが、意外とそうでもないことも多かったので、改めて経緯と結果が見える「形」で市民の皆様と情報共有できるようにという意味を込めています。
一方で、自分たちの気持ちを奮い立たせる意味として、中身や働きに対して、外に現れる「形」というふうに記載されている辞書もございます。特に姿勢や態度にも「形」という意味を持っていますので、その言葉を大事にできればという意味で、行政の登別市としての資質や姿勢、態度の中に、普段行っている働き方が市民の皆様に感謝されるような「形」をみんなで作っていきましょうということで「形」にさせていただきました。
実は、発案は教育長のアイデアです。理事者3人で考え、今年はこの一文字で行かせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
(室蘭民報):JR登別駅のバリアフリー化について、現時点での具体的な進捗状況は。
(市長):12月20日前後に昨年最後の交渉を行いました。交渉の中で、我々が勝ち得たといいましょうか、進展したところは、登別市が予算の2分の1相当を負担すれば、JR北海道としては、実現に向けて前向きに検討したいという言葉をいただきました。
早速、今年に入って地盤調査について予算化できないかを我々の方から提案をしていきたいと思っています。そのためには、1千万円以上の調査費用がかかりますので、どうやって折半まで考え実現に向かわせるか、調査の結果によってできるのかできないのか、どこかに設置できるかという前提の元で、調査を開始できるように交渉をしたいと思っています。1・2回の交渉で、ある程度結果を出していただけるのではないかと期待をしております。そうはいうものの、相手がおりますので、実現できないかもしれませんが、実現できるよう交渉をしてまいりたいと思います。
(室蘭民報):折半というのは、全て含めての折半ということか。
(市長):工事や事業によっては、国や道からの補助制度の対象になるものも出てきますので、国からの助成がもし3分の1であれば、残りの3分の2をJR北海道と市で半分にすることも可能でしょうし、補助制度がなければ、事業費をまるまる2分の1ずつ出し合うということも交渉の中にあります。
(室蘭民報):地盤の調査費用も折半ですか。
(市長):原則、我々としてはそれ以上のことは考えていませんので、市が全部持ち出しとなるのであれば考えます。ただ、ずっとお願いしていた我々の責任もありますし、公共施設整備の優先順位を第2位にしたという責任もありますので、財政が厳しい状況でも、優先順位を決めた以上は実現に向けてやるべきだというふうに覚悟を決めています。
(室蘭民報):財政状況が厳しくなっており、この前のヒアリングでも7億円程度の不足ということで、どういうふうに財政をやりくりしていくのかというビジョンは見えているのか。
(市長):2次査定がこれからなので、それまでにJR北海道との折半の関係が間に合えば、当初予算の範囲に入ります。間に合わなければ、実現可能か分かりませんが、平成30年度入ってからの補正予算、また時期によっては長くなっても来年度の当初予算までにこぎ着けれるようにすべきだと思っています。それが優先順位第2位の重さだと思っていますので、そういう覚悟をもっているつもりです。
(室蘭民報):市長の考えとしては、今回の当初予算に入れたいということか。
(市長): 何とか入れたいです。ですが、交渉日程も未定のため難しいかもしれません。観光経済部の方で今日か明日にでも交渉日程の連絡をしてくれると思います。
(室蘭民報):前回の会見の中で、国立病院の跡地の関係について金額面の交渉を進めて、執行方針に入れたいというようなコメントを出されていましたが、その後の進捗状況は。
(総務部長):年末に財務省の入札があり、落札しているという段階まで進んでいます。後は契約を結ぶだけとなっています。
(市長):購入の道に進めると思っています。何とか国立病院の跡地については市が購入するという形で結果を迎えたいと思っています。
(室蘭民報):金額などの発表はいつ頃になるのか。
(総務部長):金額や面積などについて議会に提出する案件ですので、第1回定例会で議案を提出してからとなります。また、まだ契約も済んでいませんので、金額は公表できません。市が落札したということは事実です。
(市長):これがうまくいけば、JCHO登別病院の跡地があきますので、つながりをどうするのか検討しなければいけないと思っています。もちろん、国立病院の跡地についても買ってからの使い道を特に温泉地区の皆様と検討していかなければならないと思っています。まだ交渉していませんが、我々の段階では基本的には駐車場として庁内で検討まではしています。これに上物を設置するとなると、それなりに考えていかないと周りの環境への影響がありますので、土砂災害の指定地域というものもありますが、JCHO登別病院との絡み、すごく良い言い方をすれば両方の土地を一つにして何かに使えるという考え方もあるでしょうし、公の立場で我々が使用するというよりは、もっと費用対効果のある例えば病院であったり、ホテルであったり、そういうものの用途で使える可能性もあります。我々としては慎重に取り扱っていきたいと思っています。
順調にいっていることは間違いありませんので、うまくいけば平成29年度中にいろいろなものが決まって来ると思います。
(室蘭民報):JCHO登別病院の土地も上物もJCHO登別病院のものか。市が買う考えはあるか。
(市長):全てJCHO登別病院のものです。はっきりいって、市が全て買う余力はありません。公債費全般が下がってきているので、いろいろなときに借金をする覚悟をもてる段階まできています。優先順位3つを決めさせていただきましたので、3つともハードに関わり、この3つをざっと計算しただけでも50億円を超えるものと概算していますから、予算を使うときにこれらを予定している段階で、ほかのものに関してというのは現時点では優先順位が高くならない限りは無理だと考えています。
(室蘭民報):学校の適正配置について、今現在でどこまで話が進んでいるか?
(教育長):具体的には、平成26年に適正方針を立てましたが、方針の中では小学校は1学年1クラス、中学校は1学年2クラスまでという基準をもちながら、また、1クラスは20名程度が適切としていますが、実態に合わない学校も現実にありますので、そういうところに方針を説明している段階です。いずれにしても長い歴史の中で、あるいは地域とのつながりの中では、ある程度の理解をいただかなければならないので、粘り強く説明をしていきたいということです。地区としては幌別東小学校地区、登別中学校地区の2地区があります。
登別市の場合は、コミュニティースクールなど、学校と地域とのつながりを充実させておりまして、地域の応援を得ながら教育を進めている状況ですので、例えば、2学年で15人以下の複式学級という形式もありますが、そこまでは及んでいません。したがって将来予測をして、そういう状況が見えるところまでは当面は今の説明を続けていく。幌別東小学校でも80数名います。今の児童生徒数についてはほぼ横ばいで進んでいますから、過去とこれからという議論を進めた場合は、まだ時間がかかると思っています。
(朝日新聞):登別温泉開湯160年の取り組みについては、基本的には登別国際観光コンベンション協会で行うと思いますが、節目をきっかけに、市としての取り組みやアピールするようなことは考えていますか。
(市長):開湯160年については、市職員に対して、きっかけづくり、チャンスととらえてやりましょうというふうにしましたので、例えば、デンマークのホストタウン登録をさせていただいたので、今後の目標としてはヨーロッパの人たちが日本に来られるような営業ができないか。これはデンマークだけではなく、ドイツ、オランダ、スイスなどいろいろな国というヨーロッパですが。あとは、160年の重みというものをどうやって旅館組合の皆さんとタイアップしていくかというものも、今月の旅館組合長と話をする約束をしていますので、話し合いをきっかけにして、いろいろなことを1・2カ月で決めましょうというふうに話はしました。
そこで、少し形が見えるのかなと思います。しかしながら、主催者が温泉の方であってほしいという願いもありますので、例えば、登別国際観光コンベンション協会や旅館組合、極楽通り商店街、温泉地区連合町内会の市民の皆様が主催者となって、登別市が後押ししていくという体制が一番良いと思っていますので、少し語弊があるかもしれませんが、一緒に行きますが、若干身を引いて背中を押してあげるといった体制ができれば、理想的な160年がどこかで生まれると思っていますので、全く関係ないということにはなりませんので、積極的には介入したいと思っています。