公開日 2014年08月29日
場所:第2委員会室
1.市長あいさつ
『第28回全国青年市長会』の総会が、昨日無事終了しました。基調講演では元内閣総理大臣の森喜朗さんが、私ども若い世代の青年市長へ期待を込めたお話や、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けての現状、東京都知事とのやりとりの内容、2019年の日本でのラグビーのワールドカップ開催についてなど、さまざまなスポーツ関連の行事の日本経済への波及効果についてのお話をいただきました。
また、昨日の総会では、私が会長職の任期を終えることができまして、今日から奈良県葛城市の山下和也市長が新会長となりました。直前会長という形でこれからもサポートしていきたいと思っています。
北陸新幹線が来年3月14日に開業するということで、沿線の高岡市、氷見市など多くの近隣の市長さんがいろいろな話をしていました。我々も登別市単独、もしくはnittan戦略会議で、なんとか早いうちに視察をして、開業後すぐの現場を見て北海道新幹線開業をイメージしていかなければいけないと、少し危機感を持ちながら考えていました。
8月9日・10日の2日間に渡り、川上公園で『第2回のぼりべつ夏祭り』が開催され、約3万人の方が訪れたと聞いております。市民の有志や市民活動団体などが実行委員会をつくり、胆振総合振興局のお力添えもいただきながらの開催となりました。今回は『nittanマルシェ』が新たに加わり、これをきっかけに、食についても少しでも政策に反映できればと考えています。
登別温泉では、いよいよ明日30日と31日の2日間に渡って『第51回登別地獄まつり』が開催されます。市は共催という形になっていますので、全面的にバックアップするのですが、来賓として草津温泉の観光協会長や黒岩町長が、また、台湾のお客さまなども来ますので、登別温泉を少しでも良く思って帰っていただけるようにしていきたいと思っています。
今回は『鬼灯の冷徹』の作者である江口夏実さんのサイン会なども予定されていますので、そういった新しい催し物や新しい関わりが登別温泉を核とした観光施策につながっていくものと思っています。
『アーティスト・イン・レジデンス』がやっと始動しました。きっかけづくりの事業ですので、どのようにインセンティブを起こしていくかは関わってくださる皆さんの技量や関わり方にもよりますが、それをサポートする我々登別市役所の職員のマンパワーや影響力が大きく関わると思いますので、率先してサポートしていきたいと思います。
8月31日は、しんた21で『ふれあいフェスティバル』があり、多くの福祉関係団体が力を結集させますので、私も時間を見て行こうと思っています。
9月に入ると、『幌別地区手づくり祭り』や『登別漁港まつり』があります。約1週間後には、第1回目の『北海道いぶりロングライド』もあります。そういったイベントや行事を大切にしながら観光客を集客し、いかに外貨を稼ぐかを考えていきます。ロングライドについては、サイクリングに関するお客さんを増やすため、10月の国慶節のときに私どもが台北・台中・台南に行き、ジャイアントという台北のサイクリング協会の会長に会えるか打診するなど、どのようにつながりを模索していけば良いか検討しています。
2013年度は道内を訪れる観光客が1,300万人を超え、うち外国人観光客が115万人であったということです。そのうち、登別市を訪れた外国人観光客は31万人を超えたということで、非常にうれしいことです。
2020年までに登別市の観光客をどのぐらい増やすのかという具体的な目標値を、平成27年度の新たな市政執行方針の中などの節目で掲げていきたいです。昨年度の決算がこれから出てきますので、9月と10月、平成26年度に実行してきた事業を議会の皆さん、市民の皆さんにわかっていただいて、平成27年度、平成28年度から始まる第3期基本計画の10年に結び付けていきたいと思っています。
さて、本定例会の議案でありますが、『平成25年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の認定に関わる案件』、『平成26年度一般会計の補正予算に係わる案件』、『条例の制定や一部改正』など、議案18件、報告3件を予定しています。
2.質疑
(室蘭民報):2020年までの観光客誘客数の目標値は年度ごとに設定するのか、それとも
長いスパンで設定するのか。
(市長):現時点でまだ定まっていません。その理由は、観光客誘致には企画と観光の2部
門が関わっており、企画側は2016年から2025年までの10年間で目標を定めようとして
います。かたや観光側は、4年後ぐらいのことを考えています。そうすると、両方のイメージを統合して目標値を定めなくてはいけません。この2・3カ月の間に各部署の考え方を今一度データとして収集して、約5年か6年を単位にした中期目標を立て、同時に単年度の目標も設定するべきだと思っています。それが定まれば台湾に行く回数や韓国に行くべきか、マレーシアに行くべきかという具体的な方策まで数値化でき、どんな戦略をとらなければいけないのかが明確になると思います。
(室蘭民報):その発表の時期は市政執行方針に盛り込みたいという話だが、短期目標の
発表は年度ごとになるのか。中期目標の発表はどのタイミングとなるのか。
(市長):現時点での考えとしては、中期の発表は平成27年度の末ぐらいになると思います。私は平成28年度途中までの任期ですので、平成27年度の市政執行方針では、10年・15年という長期の方針設定は差し控える可能性があります。ただ、平成27年度の1年間は、平成28年度に向けてどんな準備の1年にするかという数値が出てくると思います。ひとつはnittan用で、海外観光客よりは道内・道外の日本人を対象とし、どのようなお客さんを胆振・日高に連れてくるかということでの、具体的な話になると思います。インバウンドを含めた観光企画となると、恐らくちょうど2020年まで残り5年となる平成27年度末が目途になります。できる限り早く明確な目標を出したいと思います。第3期基本計画に合わせる可能性もあります。
(室蘭民報):国で今後外国のお客さんを増やしていこうという方針が示されているが、それとも整合性を取っていくのか。
(市長):国の目標では、海外からの観光客を現在の2倍の2,000万人にするということです。本市では海外からの観光客は現在約31万人ですので、実質68万人にしないと全国で2,000万人にはなりません。
苫小牧では外国人の宿泊が多くなっており、受け入れ能力に大きな課題があるそうです。我々も70万人近い海外のお客さんを誘客するときに、登別温泉のホテルに対応していただく受け入れ能力や技量があるのかということを分析しなければいけないと思っています。
同時に、その戦略に対して観光室の職員が今の人数で観光の戦略に特化した動きができるか、調整する必要があると思います。かといって受け入れの目標を低くするのはあまりにも短絡的なので、我々としては一生懸命頑張れる、少し高い値を目標にします。
(北海道新聞):建築物の耐震改修の促進に関する法律により、皆さん耐震診断をしていると思うが、改修の方向性についての市の考えは。
(市長):実際には、国・道・そして市町村などの自治体が民間の施設や公共施設に対して耐震に対する措置を行うことになると思います。特に病院・ホテルに関しては民間の経営する建物が多いので、耐震診断まではおおむね目途がつきましたが、耐震改修については今後大きな課題が山積していることは間違いありません。
現時点では、道などとの協議を綿密にしながらできるだけの措置をしていくと、覚悟を決めている段階です。
(北海道新聞):北海道電力が電気料金の値上げを申請したが、この値上げによってどのぐらいの影響があるのか。また値上げに対して市としてどのような対応を取るのか。
(市長):計算方法などについて協議していますが、トータルでの影響はまだわかっていません。現在、特に大きい工場や施設を持つ会社や登別温泉のホテル、テーマパークなどについて情報収集をしており、その結果によっては北電や道、関係機関に要望をしていかなければいけないと思っています。
苫小牧市は既に書面で要望を出しましたが、我々は各企業さんから直接要望があった場合に、北海道電力室蘭支店の支店長さんと協議をして、それぞれの立場を互いに理解してもらい、歩み寄れるような話し合いをするという段階です。まだ市として要望を出す段階にはありません。
(北海道新聞):商工会議所が消費税増税による影響を調査し、飲食業が特に厳しい状況にあるが、市としてどんなことができるのか。
(市長):平成25年の10月・11月に商工会議所と話し合いをしたことがありまして、そのときに独自に入手した情報では、幌別地区の飲食店は特に厳しい状態とのことでした。1・2月の冬場、ゴールデンウィークなどの節目、そしてお盆に向けての対応について、市は商工会議所に対して警告をしていました。その警告を当事者の方々や商工会議所がどのように位置づけたかはわかりませんが、まだその時点では対応が見えていませんでした。幌別の商店街は特に厳しい状態でしたが、市内には厳しい状態にある商店街が他にも複数あったため、動きが見えなかった段階では我々も手を施すことができず、アーティスト・イン・レジデンスや鬼なびステーションに対する措置などの事業を行う案を考えるようになりました。現時点で幌別の商店街に対する措置はありませんが、商工会議所に動きが出てきましたので、事業内容に信憑性があり、かつ効果的なものに関しては多少の予算措置を施してでも今の状況を脱していかなければいけないというように、覚悟を決めなければいけないと思っています。
ただ、これは商工会議所が主体的に真剣に取り組むことが大前提で、我々はそれを受けて議会に対して市の責任として予算措置をします。これまでも小さな措置はしてきましたが、大きな効果が得られなかった現状を鑑みると、現状では本当の当事者である飲食店組合や商店街の危機感が消費者である市民に伝わりきっていません。そこを脱却するような商工会議所の企画を、今後期待したいと思っています。
(北海道新聞):今年の北海道いぶりロングライドの申し込み者の数字をどう受け止めているか。来年度、もし2回目があった場合、台北、台中、台南へ参加を呼び掛けて行くのか。
(市長):第2回目があることを前提に進めています。その上で一番壁になっているのは、交通事故などの事故です。今回の大会では、事故をゼロにして成功裏に終わらせることが理想です。しかし、今大会は、空知やオホーツク、美瑛で開催されている大会とは違い、高低差が800メートル以上ありますので、その高低差によるサイクリング大会への影響は分かりません。
今回は、ある意味試行的な大会であると位置付けていますので、人数の多さ・少なさよりは事故に関するデータが取れたり、走る方々の基本的な感想、そういったものを土台にして第2回目の目標参加者数を定めたいと思います。400人を目標にするのか1,000人を目標にするのかで、開催の手法が変わると思います。
数だけを多くするのであれば、ファミリーコースをつくれば簡単です。他市で開催された大会では、ファミリーコースだけで400人以上の参加者が集まっています。参加者数だけを目標にした大会にするのか、それとも本当に健康志向で、世界から魅力を感じて登別に来てもらうことに重きを置くのかでは全然違いますので、我々としては観光名所である登別温泉に泊まっていただくこともしっかり考えなくてはいけません。市内はもちろん市外、そして一番は海外からのお客さんにサイクリングという目的で観光していただくことに少しでもつなげるため、まず他の地域をまねしながら、そして超えていきたいと思っています。その第一弾が台湾と香港です。このふたつの地域からどれだけのお客さんに来ていただくのか。逆に付き合いが若干薄くなってしまった韓国についても、非常に健康志向でサイクリングが盛んだと聞いていますので、そのあたりは少し具体的に検討していきたいです。
受け皿である我々がどういう受け皿になるかということについて、早急にやらなければいけないのは、通訳者です。私も中国語を勉強していますし、庁内に外国語ができる者も出てきました。ですがもっと増やさなければいけません。たとえば職員が英語を勉強するとか、職員が自分たちも通訳をする担い手になるという意識を持たなくてはいけないと思っています。また小さい子どもが英語を話せるまちにすることで外国人が安心してちょっとした買い物をしたり、路上であっても英語で話しができたり、そういう場面が想定できるまちに発展させていく、ということを最優先で進めていきたいです。海外からの観光客数2千万人を目指すに当たって一番大切なのが人づくりだと思っています。それを最初にやりたいと思っています。
(北海道新聞):北海道電力の電気料金値上げで公共施設の維持管理経費も増えると思われる。今も節電対策をしていると思うが、今後も節電対策をできる幅はあるのか。
(市長):節電に関する努力の幅というのはあります。ありますが、ここから先はおそらく高額な予算が伴うのではないかと思っています。ある程度のことはしていますが、お金がない中でのアイディアを出さなくてはいけません。現在、蛍光灯の消灯時間などを定めており、そこについてはまだ若干余力がありますが、もっと節減するとしたら普通の電球をすべてLEDに替えるとか、施設を省電力の新しい施設にしなければいけません。そのすべてに高額な予算が伴いますので、これまでの他の事業執行に対する予算付けとバランスを見ながら、余力があればその部分は節減対象の予算にまわしたいと思います。私ひとりでは決められないところなので、各部次長の意気込みと協力をもらいながらバランスよく進めていきたいと思っています。
また、民間側で懸念されるのが、電気代によって掛かる経費が莫大になる企業については、本店もしくは支店が撤退するという大きな懸念材料があります。それを防ぐために今回早いうちに企業のデータ収集を行っています。企業がなくなるということは、税収が減ることにつながりますので、しっかりそこは位置付けていきたいです。公共施設よりも民間を重視しているというのはそのためです。
(北海道新聞):そのような状況になった場合、市は具体的に取れる策はあるのか。
(市長):これまでも空き店舗の活用の努力はしています。まず、今、市内で頑張っている企業の後押しをどのようにしていくかということは考えられると思います。例えば企業が撤退したときに、その企業に協力的な新しい企業もしくはスポンサー的なことをしてくれるような新しい企業を誘致して、厳しい状況にある企業とタイアップさせるなど、もしくは統合の道を探るなど、そういうコネクションをつくる努力は市役所もしていかなくてはいけません。
(室蘭民報):登別東町3丁目の市有地への企業誘致の状況は。また、今後どのような企業を誘致するのか。
(市長):現時点で1件の誘致が成立しています。今後、再募集をする予定です。
今後の方策については、商工労政グループと何度か打ち合わせをしていますが、平成27年度・平成28年度に対する目標を決めようと思っています。これまでアンケート調査などを行った結果を踏まえ、現時点では加工業者をキーワードに、登別漁港で捕れた魚介類を加工してくれそうな企業を何社かピックアップしました。そのようにカテゴリを決めましたが、なかなかうまくいっていません。
そこで視点を変えて、人口を増やすために女性に住んでもらえる、若い世代が働けるような企業は何だろうというところに重きを置いて議論しています。今までは産業に関するカテゴリで企業誘致をする戦略でしたが、子どもをどうやって増やすか、もしくは老後どうやって安心できる環境にするか。そういったところで必要と思われる企業に来てもらえるように考えるようシフトしようとしています。
(室蘭民報):広島県で豪雨災害があり、現在、全国で土砂災害の対策が見直されているが、市の対応は。また、登別温泉ふれあいセンターは川に面しており、土砂災害警戒区域が近くにあるが、今後の対策は。
(市長):広島県の災害に対する対応は、近隣の市や付き合いのある市町から寄付を募ろうという話が全国青年市長会でも上がっています。我々も特に礼文島に対しては、そのような援助が必要かどうか話し合わなければいけません。
広島の件を見ると、災害時の判断マニュアルを見直そうとしています。本市で喫緊の課題になっているのは大雨、または大雨に伴う土砂災害です。特にそういう部分の判断マニュアルは既にできています。
今後の課題は、土砂災害指定をされている地域の多くが登別温泉地区なので、我々も登別温泉地区にある公共施設を、特に山のふもとにある施設を今後なくしていくことを検討しなければいけません。そのときに、代替の場所や代替機能をどこに設置するのかということに関して検討しなければいけないと思っています。
今後、どのように登別温泉ふれあいセンターを残していくのか、もしくは残さずとも、バスターミナルの広場や違う所に代替地があるのかという検討は始めています。そういった地理的条件の中で、防災担当はソフト展開をしていかなければいけません。土砂災害に関しては、観光客にどの時点でどう逃げてもらうのかという訓練と打ち合わせを旅館組合としなければいけないと思っています。
ことし7月か8月に一度、土砂災害警戒情報が出る寸前の大雨がありました。ですから、外国人でも小さな子どもでも足の悪いお年寄りでも、逃げ場所をどこにするかということを考えなければいけません。
噴火に関しては、有珠山が20年から30年に一度噴火することを前提にしなければいけませんので、そのときは我々が逃げるほかに助ける、サポートをするということをしていかなければいけません。避難とサポートの両輪で検討していきたいと思います。もっとできることはないのか、要請を受けて対応するのではなく、要請を受ける前にできることはないだろうかと、行くぐらいのつもりでいなければいけません。そして、我々に何かがあったときには逆に助けてもらう、そういうまち同士の関係が確立されるように努力したいです。
(室蘭民報):本年度の全国学力状況調査の結果が公表となり、北海道が全国平均より下回っていたというニュースが出ているが、登別市の状況は。また、全国の自治体で意見が割れている公表に対する考え方は。
(教育長):当市の結果については、道教委が正答率という形で発表しています。それは、小学校4教科、中学校4教科の8教科についてですが、当市の場合は中学校では全ての教科が全道平均を超え、2教科が全国平均を超えています。残りの2教科は、全国平均まで0.4ポイントとほぼ同等です。小学校は2教科が全道平均を上回り、2教科がやや低い。しかし、それも0.8ポイントと1.2ポイントですから、ほぼ平均並みとなっています。全国との比較ではわずかに1.8ポイント、1.9ポイント、2.2ポイントのマイナスとなり、大幅な伸びを見せるという成果が出ています。
公表については、道教委が市町村教育委員会の同意のもとにするということで、学力向上委員会で議論をしていますが、当市としては道が提示しているレーダーチャート方式による市町村別の公表に協力をしていきたいと思っています。
既に当市においては、市全体としての成績公表を行っているところであり、教育委員会が学校名を明らかにして羅列するような公表をする考えでいます。それぞれの学校では保護者に説明責任を果たすという覚悟から、お知らせをしています。