第5章 豊かな個性と人間性を育むまち

  第1節 生涯を通じて学ぶ心を育み、学ぶ環境を整えて生涯学習社会の実現をめざす


 [基本的な考え方]

  生涯学習とは、市民がその生涯を通じて家庭や学校、職場、地域で取り組むすべての学習活動のことを言います。

  人は、生まれるとすぐ家庭での学習を始め、やがて学校での学習や地域社会での様々な学習、そして社会に出てからは、仕事にかかわる学習や豊かで充実した人生を送るための学習を生涯にわたって続けることになります。

  近年は、生活水準の向上、自由時間の増大、高齢化の進行等に伴い、学習を通してより生きがいある人生を求める人が多くなっているとともに、科学技術の進歩や情報化、国際化の進展により、新たな知識、技術を学習する必要性が高まってきています。

  このため、市民が学びたいとき、いつでも、どこでも、なんでも学ぶことのできる生涯学習社会の構築が求められています。生涯の各期にわたって(いつでも)市民が主体的に学習活動を行うことができるよう支援するとともに、スポーツ活動、文化活動、趣味、レクリェーション活動、ボランティア活動など広範な学習活動が(なんでも)、家庭・学校・地域社会・職場で(どこでも)可能となるよう、諸条件の整備に努めます。



 [施策の基本方向]

 1.生涯学習推進体制の整備

  市民が生涯にわたって行う学習活動を支援するためには、生涯学習関連事業を総合的、かつ効果的に推進することが必要です。
 
  関係部課が相互に連携をとることのできる生涯学習推進体制を整備します。また、生涯学習を推進する上で、民間の教育機関や団体が果たす役割も重要です。これらと連携、協力できるシステムを整備し、団体等の自主的な学習活動を支援します。


 2.生涯学習事業の整備

  多種多様に展開される生涯学習活動を支援するため、市民の学習ニーズの把握に努めるとともに、ニーズに即した学習プログラムの開発に努めます。また、社会の急激な変化の中で、人間性豊かな生活を維持しながら、変化に対応し現代的な課題の解決ができる事業の開催に努めます。


 3.生涯学習指導者の確保

  生涯学習を担う指導者については、行政機関の専門職員のほか、民間における専門的知識や技能をもった人材を確保するとともに、学習者のニーズに応じて紹介、派遣できる体制の整備に努めます。


 4.生涯学習情報の提供と生涯学習相談体制の充実

  市民の求める学習情報を適時、適切に提供できるよう、各種情報を収集、整理し提供する体制の整備を促進します。また、学習関連情報の活用を効果的に行うため、市民からの相談に適切に応じることができるよう、相談員の配置とその資質の向上を図ります。


 5.涯学習施設の整備

  市民の多様な学習ニーズに対応した学習施設の整備に努めるとともに、利用しやすい施設となるよう、利用時間の拡大など柔軟な運営方法を検討し、利用の促進を図ります。また、施設間の連携による効率的な学習環境を整備するため、学習施設間のネットワーク強化に努めます。



 [主要施策]

 1.生涯学習推進体制の整備

 ◆生涯学習推進基本計画の策定

 ・ 生涯学習推進基本計画を策定し、地域の特性を生かした生涯学習を計画的に推進します。


 ◆生涯学習推進組織の整備

 ・ 生涯学習関連事業を総合的、かつ効果的に推進するため、民間機関等を包含した生涯学習推進組織を整備します。


 2.生涯学習事業の整備

 ◆学習プログラムの開発

 ・ 市民の学習ニーズを把握し、適切な学習プログラムの開発に努めます。


 ◆生涯学習機会の整備

 ・ 生涯の各期にわたって、学習・スポーツ・文化等のさまざまの分野の生涯学習が体系的に学ぶことができるよう支援します。


 3.生涯学習指導者の確保

 ◆指導者の確保、活用

 ・ 知識、経験の豊富な高齢者や技術者、企業人等各分野における優れた専門知識や技術をもった人を指導者として登録し、その活用を図ります。


 ◆指導者の資質の向上と体制の整備

 ・ 研修会を実施するなどして指導者の資質向上を図るとともに多種多様な人材を広く紹介、派遣できる体制の整備を図ります。


 4.生涯学習情報の提供と生涯学習相談体制の充実

 ◆各種メディアを活用した情報提供

 ・ 民間情報も含めた生涯学習情報のデータベース化を促進するとともに情報紙やニューメディア等を活用して、学習者が必要とする情報の提供をすすめます。


 ◆学習相談員の確保

 ・ 市民の相談に適切に対応できる相談員を適正に配置し相談窓口の充実を図ります。


 5.生涯学習施設の整備

 ◆生涯学習施設の整備

 ・ 市民の多様なニーズに応えられ、気軽に利用できるよう総合的な観点から学習施設の整備拡充を図ります。

 ・ 施設の多目的利用を図るとともに、夜間開放を行うなど、市民ニーズに沿った施設管理運営を図ります。


 ◆学校施設の活用

 ・ 学校施設を地域の人々が積極的に活用できるよう施設の改善・整備を図ります。


 ◆民間施設と公共施設のネットワーク化

 ・ 行政と民間の機関の学習機会や学習情報の交流など、連携、協力をすすめるためのネットワーク化を促進します。