第4章 調和の中でふるさとを演出するまち

  第2節 快適さとやすらぎと自然に満ちた空間で暮らしを包む


 [基本的な考え方]

 (景 観)

  人々の生活意識が、モノの充足から心の充足へと変化している今日、自然と調和した街並みや美しい景観など快適な都市空間の創造が求められています。

  登別らしい景観づくりをすすめるためには、緑と水辺のコントラストなど豊かな自然と調和した都市施設のデザインや登別ならではの歴史と文化性に満ちた街並みづくりが必要です。

  行政、市民、事業者が一体となって美しい景観を創り上げる意識を醸成するとともにすべての市民が誇りをもって暮らすことのできる美しいまちの実現を目指して、都市をデザインする観点からまちづくりをすすめます。



 (市街地と宅地・住宅)

  より快適でゆとりある都市環境を創造するためには、市街地の健全な発展と秩序ある整備をすすめる必要があります。

  土地の高度利用化と都市計画制度等の適切な運用により住みよい市街地整備を促進するとともに道路、公園、下水道等都市施設の整備をすすめます。

  また、快適な市民生活を実現するためには、良質な住宅と良好な宅地の確保が基本です。良質な公的住宅づくりを推進するとともに、土地区画整理事業など都市計画事業を推進し、良好な住宅地づくりをすすめます。
 
  また、良好な民間宅地開発を促すなど秩序ある住環境づくりに努めます。



 (上水道)

  昭和37年に供用開始した本市の上水道は、平成6年度末における普及率が96.6%となり、ほぼ給水区域全域に上水道が普及したと言えます。

  しかしながら、近年、市民の水道に対するニーズは、安全性はもとより利便性や快適性を求めて高度化するとともに、多様化しつつあることから、水道事業の推進にあたっては、安全で安定的かつ低廉な給水を確保するため、水道施設の整備を促進するとともに健全な上水道事業の運営に努めます。



 (公 園)

  公園は、憩いの場として市民生活にうるおいとやすらぎを与える施設であるとともにスポーツ、レクリエーションの場としてあるいは防災や環境保全の機能を有する空間として重要な都市施設です。

  また、公園は、都市の景観に風格をもたらす空間として欠かせない存在です。都市計画公園については、公園の持つ多様な機能が十分に発揮されるよう配慮するとともに地域特性を生かした公園づくりを推進するため総合公園、近隣公園、街区公園など公園の性格や規模に配慮した計画的な配置に努めます。

  その他の公園については、美しい河川やダム湖、緑豊かな自然を活用して、市民に親しまれ、利用される公園の整備に努めます。



 [施策の基本方向]

 1.美しい都市景観の創造

  市民や事業者に景観づくりへの積極的理解と参加を促し、景観意識の高揚を図るとともに、多くの河川や豊かな緑、地域の自然、風土、文化など豊かな景観資源をかけがいのない財産として保全し、積極的に活かした特色ある景観づくりをすすめます。


 2.住みよい市街地の整備と宅地・住宅の確保

  既成市街地においては、道路、公園、下水道等根幹的都市施設の整備を推進するとともに、市街地の再開発について検討します。新市街地の整備にあたっては、区画整理事業などの導入により健全な市街地形成に努めるとともに良好な宅地の確保を図ります。

  民間宅地開発においては、施設水準の向上や開発地域周辺の環境に配慮した整備が行われるよう指導します。

  公営住宅については、居住水準の向上を図るため、建て替えや住戸改善をすすめるとともに、地域と調和のとれた魅力ある団地づくりを推進します。


 3.上水道事業の整備

  清浄、豊富、低廉な水を安定的に供給するため、浄水場の整備、配水池及び配水管の新設、老朽管の更新等水道施設の整備を促進するとともに、安定的で効率的な事業運営に努め、市民ニーズに即応したサービスの向上に努めます。

  また、未給水地区の解消を図るため、給水区域の拡大をすすめます。


 4.公園の整備

  計画的な公園新設を推進するなど、地域の特色を活かした憩いの場づくりに努めます。また、既存の公園については、適切な維持管理に努めるほか、より親しまれる施設となるようリフレッシュをすすめます。



 [主要施策]

 1.美しい都市景観の創造

 ◆都市景観意識の醸成

 ・ 美しいまちをつくり、守り、共有するという意識の啓発に努めます。

 ・ 都市デザインに携わる人材の育成、活用を図ります。

 ・ 景観シンポジウム等の開催や顕彰により市民意識の高揚を図ります。


 ◆都市景観の保全・育成・創出

 ・ 地区計画等の制度活用による都市景観の保全等に努めます。

 ・ 道路、公園、河川等の公共施設、公共空間の質的向上やデザインの調和に努めます。

 ・ 屋外広告物等について、地域の特性を勘案し、景観に配慮するよう努めます。

 ・ 地域の特性を表現したランドマーク(土地や場所の目印や象徴となっている建造物)づくり運動をすすめます。


 2.住みよい市街地の整備と宅地・住宅の確保

 ◆市街地の整備

 ・ 道路、公園、下水道などの根幹的都市施設の整備に努めます。

 ・ 良好な生活環境を確保するため既成市街地の計画的な再整備について検討します。

 ・ 住みよい市街地形成のため、地区計画制度などの啓発に努めます。

 ・ 若山地区の土地区画整理事業について調査検討をすすめます。

 ・ 新市街地における都市施設の整備にあたっては、宅地開発にあわせ計画的、効率的に推進します。

 ・ 良好な住環境を計画的に形成するため地区計画制度などの導入を検討します。


 ◆良好な宅地の供給

 ・ 土地区画整理事業による良好な宅地開発をすすめます。

 ・ 民間の宅地開発にあたっては、開発指導要綱等に基づいて良好な宅地供給を指導します。


 ◆公営住宅の整備

 ・ 中堅所得者等向けの住宅供給の促進に努めます。

 ・ 居住水準の向上や高齢者に対応した公営住宅づくりをすすめるため建て替えや住戸改善を促進します。

 ・ 公営住宅団地内の駐車場を整備します。

 ・ 公営住宅団地内の環境や景観の改善をすすめます。


 3.上水道事業の整備

 ◆上水道施設の整備充実

 ・ 登別温泉浄水場及び配水池の増改築をすすめます。

 ・ 石綿管等の老朽配水管の改良を促進します。

 ・ 管路網の整備を促進するとともに、断水事故等における給水機能の早期回復と給水機能低下を防ぐ
  ため、配水区域のブロック化をすすめます。


 ◆健全な上水道事業運営の確保

 ・ 経営の合理化、健全化などを含めた経営計画を策定し健全経営の推進に努めます。

 ・ 給水コストの徹底削減等に努めるとともに適正な料金体系を設定して経営基盤の安定を図ります。

 ・ 固定資産管理、給水台帳管理、量水器管理等の電算化を図り、事務事業の効率化をすすめます。


 ◆水源、水質の監視と保全
 
 ・ 水源、水質の監視を強化し、必要に応じて関係機関と連携をとり、水源、水質の保全に努めます。

 ・ 浄水処理施設の高度化をすすめ、より安全でおいしい水づくりに努めます。


 ◆未給水地区の解消

 ・ 未給水地区の解消を図るため給水区域の拡大に努めるとともに、簡易水道施設の導入を検討します。


 4.公園の整備

 ・ 富岸公園の整備を促進します。

 ・ (仮称)美園公園、(仮称)登別公園の整備に努めます。

 ・ 亀田記念公園については、公園のあり方を総合的に検討するとともに計画的に改修をすすめます。