第3章 大地に根ざしたたくましい産業が躍動するまち
第3節 海と大地の恵みを力に変える
[基本的考え方]
(農 業)
登別市の農業は、土壌、気候などの環境条件から酪農・畜産農業に特化してきました。
昨今の農業を取りまく環境は、農産物の輸入自由化による低価格化傾向とそれに呼応した産地間競争の激化、さらには農業経営者の高齢化による労働力不足と農業後継者の減少による離農の進行など厳しい状況にあります。
登別の風土に適したたくましい農業を築くため、生産性の向上と経営の安定化を促進し、付加価値の高い農畜産製品の開発をすすめるとともに、市民や都市居住者が農業を通じて自然とふれあえる場の創出など体験型農業の推進に努めます。
(水産業)
沿岸漁業の振興をはかるため、沿岸漁場の造成とつくり育てる漁業を推進するとともに漁港等漁業基盤の整備を促進します。また、遊漁をはじめとする海洋性レクリエーション需要の増加に対応し、多目的利用が可能な漁港施設の整備を促進します。
[施策の基本方向]
1.農業の振興
農業者の生活環境改善と農業生産基盤の整備を促進するとともに、生産コストの低減を目指した経営規模の拡大や経営の分担化・共同化をすすめます。
意欲的な農業の担い手を育成します。酪農・畜産業については、家畜糞尿の良質な堆肥化をすすめ、ほ場への還元による土地生産力の向上を図るとともに、観光産業への農畜産物供給を促進します。
基幹産業である観光と農業の結び付きを図るため、観光客に農村体験を提供するファームインなど農業体験施設の整備をすすめます。
2.水産業の振興
沿岸漁場の造成やつくり育てる漁業を積極的に推進し、資源と漁場に見合った適切な資源管理型漁業を促進するとともに、漁港の計画的整備をすすめます。
また、漁港関連施設と調和した海洋性レクリェーション施設の整備を促進します。漁業経営の安定化を図るため経営の近代化を促進するとともに漁獲物の安定供給と高付加価値化を図るため、漁業関連施設の充実に努めます。
[主要施策]
1.農業の振興
◆生産生活基盤の整備
・ 経営規模の拡大を図るため、農用地の流動化を促進します。
・ 生産性の向上を図るため、土地改良、土づくりなどの基盤整備を促進します。
・ 農業者の住居及び畜舎周辺の環境整備を促進します。
◆酪農畜産の振興
・ 家畜糞尿施設の整備を図り、環境保全に努めます。
・ 近隣市町村との連携によるへい獣処理施設の設置に努めます。
・ 酪農、畜産のコスト低減を図るため、草地の改良をすすめます。
・ 畜産物の地場消費ネットワーク化を計画的にすすめます。
・ 特色のある畜産物加工品づくりに努めます。
・ 将来の農業を担う後継者の育成に努めます。
・ 農業集落での施設整備をすすめて、グリーンツーリズムの受入れをすすめます。
2.水産業の振興
◆資源管理型漁業の推進
・ 地域に適した魚介類の栽培をすすめるなどつくり育てる漁業を推進します。
・ 共同海域における関係漁業協同組合の協力体制を強化します。
・ 的確な資源評価に基づく計画的な漁獲と安定供給を図ります。
・ 資源を育てるための大型魚礁、タコ産卵礁を設置し、漁場の拡大をすすめます。
・ 漁場環境の保全を図るため、有害生物等の駆除と漁網等廃棄物の除去に努めます。
◆漁港の整備促進
・ 漁港整備長期計画に基づいた、漁港の整備を図ります。
・ 富浦漁港の利用計画の策定をすすめます。
・ 海洋性レクリエーションに必要な施設の整備を促進します。
◆漁業経営の安定
・ 漁船装備の近代化をすすめ、漁船の安全操業を図ります。
・ 後継者を育成するため、各種研修会、講習会による技術の向上を図ります。
◆水産物の消費拡大
・ 鮮度のよい水産物の出荷に努め、消費の拡大を図るとともに、観光産業や市民への低廉安定供給に努めます。
・ 水産加工品の付加価値を高めるため、製品の開発改良や加工技術の向上を図ります。
・ 荷さばき施設の整備拡充を図ります。