第3章 大地に根ざしたたくましい産業が躍動するまち

  第2節 世界が集い、世界が楽しむ北の観光拠点をつくる

 [基本的考え方]

  支笏洞爺国立公園内に位置する当市は、豊富な湯量と多種の泉質を誇る登別温泉と山間の静かな国民保養温泉地カルルス温泉を中心に、地獄谷・大湯沼などの自然資源に加え、4つのテーマパークが立地するなど、北海道を代表する観光地として発展を続けています。

  しかしながら、近年は、国内はもとより円高傾向を背景とした海外の観光地との競争が激化し、観光を取り巻く環境は厳しい状況にあります。

  日常生活を離れて、異なった文化や自然、様々な楽しみや憩い、くつろぎにふれようとする人々がこぞって訪れる観光地とするためには、その地域ならではの個性的な魅力の創出とまちぐるみのホスピタリティ構築が必要です。

  登別を名実ともに道内における中心的な観光拠点として確立するため、観光を取り巻く新たな潮流を敏感に察知し、新しい時代のニーズに対応できる観光地づくりをすすめるとともに魅力あるイベントの創出など観光ソフトの充実に努め、市民にとって住みよいまちであることが、訪れる人にとっても魅力的なまちであることを基本に個性的な観光地づくりをすすめます。



 [施策の基本方向]

 1.新しい時代のニーズに応える観光地づくり

  心の豊かさや本物への指向の強まりを背景に自然や健康、遊び、スポーツなど体験・学習型の観光ニーズがますます増大する傾向にあります。

  また、所得水準の向上や余暇時間の増大によるライフスタイルの変化に伴い、従来の一泊宴会型、周遊型観光に加え小グループや家族旅行、長期滞在型など旅行形態・観光ニーズの多様化がすすんでいます。

  長年にわたる、登別観光の蓄積と有利性を最大限に活用し、様々なニーズに対応できる受入れ体制づくりをすすめるとともに、訪れる人が多彩なメニューで余暇を楽しめる裾野の広い観光地づくりをすすめます。


 2.国際観光レクリエーション都市にふさわしい受入れ体制の整備

  国際観光レクリエーション都市を宣言する当市にとっては、新千歳空港への国際線直行便による新航路開設がすすむ中にあって、空港から至近距離にある有利性を活かし、外国人観光客が訪れやすい環境を整え、受入れ体制の整備を促進します。


 3.観光ソフト事業の推進

  魅力ある観光地づくりをすすめるためには、体験して楽しめる施設の整備に加えて訪れる人々への心なごむ接遇と心を引きつけるイベントなどの開催が必要です。観光従事者の質的な向上とまちぐるみのホスピタリティ意識の向上、またイベント、観光情報網の整備など観光ソフトの充実を図ります。



 [主要施策]

 1.新しい時代のニーズに応える観光地づくり

 ・ 泉源公園や個性豊かな商店街が軒を連ねる情緒あふれる温泉街整備をすすめます。

 ・ 宿泊機能に加えコンベンション機能やイベント広場などの整備を図ります。

 ・ 温泉を活用した健康回復施設の整備を図ります。

 ・ 日帰り入浴施設の整備を図ります。

 ・ 地獄谷、大湯沼周辺地区の再整備をすすめます。

 ・ 自然散策路や森林浴コース、バードウオッチング、キャンプ場など自然体験型施設の整備をすすめます。

 ・ カルルス温泉スキー場の整備と通年活用を図ります。

 ・ 市内主要観光ポイントをネットワークする観光ルートづくりをすすめます。

 ・ 文化遺産など隠れた観光資源の開発をすすめます。


 2.国際観光レクリエーション都市にふさわしい受入れ体制の整備

 ・ 観光従事者に対する語学研修の充実とボランティア通訳の確保を図ります。

 ・ 外国語による案内標識等の設置をすすめるとともに外国人のための案内所を整備します。

 ・ 外国人旅行者のためのホームビジット(家庭訪問)制度の普及に努めます。


 3.観光ソフト事業の推進

 ・ 市内の地域イベントを観光資源として活用します。

 ・ 鬼サミット登別の充実を図ります。

 ・ 海外キャンペーンの実施や海外フェアへの参加による誘客促進を図ります。

 ・ ニューメディアを活用した観光情報システムの整備を図ります。

 ・ 多彩な観光ソフトを支えるインストラクター(指導員)を育成します。

 ・ 市民の温泉利用をすすめ、観光ホスピタリティ意識の啓発を図ります。

 ・ 新たな観光土産品の開発促進を図ります。

 ・ 地元食材を積極的に活用し、郷土料理の開発をすすめます。