第3章 大地に根ざしたたくましい産業が躍動するまち
第1節 地場産業の複合化を図り、豊かな資源を力に変える
[基本的考え方]
活力ある産業経済活動を展開するためには、地場の産業間において蓄積された技術やノウハウが有機的に結びつき、新たなビジネスチャンスを生み出すなど、厚みと広がりのある産業構造を構築する必要があります。
また、地元資源を活用した特色ある地場製品の開発や技術力、営業力の強化など、産業のグローバル化やソフト化あるいは消費ニーズの多様化に対応でき得る地場産業の育成が求められています。
そのために、産・学・官の連携による積極的な産業技術力の高次化や地場の産業を担う人づくりをすすめるとともに基幹産業である観光と他の産業との結び付きを強め、登別らしい複合産業の基盤づくりをすすめます。また、空港、港湾、道央圏への至近性を活かして形成されつつある流通都市的機能を活用し、新たな企業の立地を促進します。
[施策の基本方向]
1.市内産業のネットワークづくり
基幹産業である観光を軸として商工業や農水産業が有機的に結びついた登別型の産業構造の形成に努めます。また、工業都市室蘭に隣接した当市の特性と自然に恵まれた良好な環境を生かした知識集約型産業の育成に努めます。
2.産業技術力の高次化
産、学、官の連携や異業種交流による技術開発や製品開発を強化し、地場産業の複合化を図り、産業技術力を高めるとともに地場製品の開発を支援します。
3.産業を担う人づくり
地場の企業を担う意欲ある人材の育成や地場産業のニーズに対応した人材の確保に努めます。
4.企業誘致の促進
産業構造の複合化と産業技術力の高度化を促進するとともに、地場産業の生産誘発効果を高めるため、研究開発施設を含めた企業の誘致をすすめます。
[主要施策]
1.市内産業のネットワークづくり
◆交流推進機構づくり
・ 産業間の交流を促進するための機構づくりをすすめるとともにその活動を助長します。
・ 企業情報フォーラムの開催など交流の場や機会の拡大に努めます。
・ 産業間の結びつきを強めるための情報提供に努めます。
◆新たなビジネスチャンスづくり
・ 産業フェアの開催を支援するなど地場の技術や製品の交流を促進し新たなビジネスチャンスを生み出す機会づくりに努めます。
・ 先端技術や情報サービスなどを活用した市内産業のソフト化、サービス化の推進を支援します。
・ 道央圏や首都圏で開催される産業フェアへの参加を支援します。
・ 海外の経営者や技術者などとの交流をすすめ、市内産業の国際化をすすめます。
・ 観光産業と農水産業との結びつきを強め登別にふさわしい新しい複合産業の形成に努めます。
◆情報基盤の整備
・ 各種産業分野の情報基盤の整備とシステム化を図り、総合的な産業情報のネットワークづくりをすすめます。
2.産業技術力の高次化
◆産・学・官の連携
・ 室蘭工業大学や室蘭工業大学地域共同研究開発センター、日本工学院北海道専門学校と地場産業グループとの連携強化を図るとともに、室蘭テクノセンターや地域共同研究開発センターを活用し、技術開発や製品開発等における共同研究や技術交流をすすめます。
◆研究開発の支援
・ 企業における活発な研究開発を助長するため公的助成制度を活用した研究開発支援に努めます。
・ 同業種間において行われる共同研究・開発の支援に努めます。
◆異業種交流の促進
・ 地場の技術、製品開発力の複合化をはかるため異業種グループの結成を促すなど活発な異業種交流の環境づくりをすすめます。
・ 他地域の異業種交流グループとの交流を促進します。
・ 異業種交流団体による共同研究や新技術、新製品の開発プロジェクト、新規市場開拓などを支援します。
3.産業を担う人づくり
◆意欲ある産業人の育成
・ 地場の企業に対する経営指導や相談業務の充実を図るとともに研修、交流の機会充実に努めます。
・ 指導機関の機能の充実を図り、中小企業などの経営の安定と効率化をすすめます。
・ 市内産業人の起業マインドを助長するため、起業セミナーや研修会を開催するなど起業に資する情報と機会を充実します。
・ 経営者団体や技術者グループの交流、情報交換活動を支援します。
◆人材情報システムの整備
・ 国、道と連携した人材情報システムを整備するなど、産業構造の高度化、技術革新、情報化に対応でき得る人材の確保をすすめます。
◆労働福祉対策の充実
・ 働く人びとの健康と福祉の増進を図るなど働きやすい労働環境づくりに努めます。
◆企業誘致の促進
・ 技術集積や物流機能及び交通アクセス等立地環境情報を積極的に発信するとともに、企業進出に関する情報把握に努め、積極的な誘致活動を展開します。
・ 企業立地促進制度の充実や工業系用地の確保など企業が進出しやすい条件整備に努めます。
・ 知識集約型産業の立地に必要な工業用地の確保に努めます。