第1章 やさしさと共生するまち
第4節 やさしさに満ちた福祉社会を築く
[基本的な考え方]
障害をもつ人が、家庭や地域の中で、いきいきと暮らすことができるよう、ノーマライゼーション理念に基づいた心の通う温かい地域社会を築きあげるとともに、日常生活や社会生活の中で、そのハンディキャップを可能な限り軽減できるよう諸条件の整備に努めます。
また、生活保護世帯など経済的な理由から生活基盤の弱い立場にある人たちが自立と安定した生活を営めるよう、生活の維持・向上のための必要な援護を行います。増加する母子、父子家庭の生活の安定と自立の促進に向け、必要な援助に努めます。
[施策の基本方向]
1.心の通い合うあたたかい障害者(児)福祉の推進
障害者にとって安全で利用しやすい都市環境を創造するため、障害者にやさしい都市基盤づくりを促進するとともに、日常生活支援サービスを充実するなど障害者の自立を支援します。また、保健・療育指導体制の整備に努め、障害の予防から早期発見、治療、機能訓練までの一貫した指導援助活動を推進します。
心身に障害があるため、教育上特別の配慮が必要と思われる障害児に対しては、その障害の状態や心身の発達段階や特性に応じた教育を推進し、将来の自立と社会参加を促します。
2.自立した暮らしへの支援
生活基盤の弱い立場にある市民に対してそれぞれ対応する制度の適切な運用を図るとともに、経済的自立の促進と生活向上の支援に努めます。母子家庭等の生活相談や、自立のための相談指導の充実を図るとともに、家庭奉仕員(介護員)派遣制度の普及を図り、母子家庭、寡婦及び父子家庭の社会参加機会の拡大と生活の安定に努めます。
[主要施策]
1.心の通い合うあたたかい障害者(児)福祉の推進
◆障害者にやさしい都市基盤づくり
・公共的建物の玄関や出入口のスロープ化、自動ドアの設置、エレベーター、トイレなどの改善を
促進します。
・障害者用の信号機や点字ブロックの設置、音響機器等の活用、歩道の段差解消、防護柵、電光掲
示板などの設置を促進します。
・障害者が利用しやすい公営住宅の建設、ケア付き公営住宅の整備に努めます。
・障害者の居住環境改善を推進するため、制度活用やリフォームヘルパーなどによる住宅改善相談
を強化します。
◆保健、療育体制の整備
・障害の発生予防と早期発見をすすめるため、保健と医療の連携を強化するとともに、各種健康診
査の充実や受診率の向上に努めます。
・在宅障害者の残存機能の維持向上や2次障害を防止するため、社会適応訓練や機能回復訓練の充
実に努めます。
・障害の重度化、重複化に対応するため療育センターなどの関係機関との連携を強化し、早期発
見・早期療育に努めるとともに、訓練・指導を行う母子通園施設や言語に遅れのある子どもを対
象とした「ことばの教室」の充実に努めます。
・心身障害児などの相談や指導体制の充実強化を図るため、地域療育施設のネットワーク化をすす
めます。
◆障害者(児)の自立支援
・障害者が地域の中で働く機会を得られるよう、また、自立した生活を送ることができるよう支援
する小規模授産施設、生活寮、小規模作業所の整備に努めます。
・住宅改造の相談や福祉機器の給付などの充実に努めます。
・ボランティア活動を育成、支援し、点訳活動、手話活動、ガイドヘルプ活動の充実に努めます。
・障害をもった幼児などの就学前の教育を充実強化します。
◆社会参加活動への支援
・障害者の文化、スポーツ活動を支援するとともに、指導員の養成をすすめます。
・障害者の社会参加を促すため、日常生活や障害者団体の自主活動を支援するとともに、地域間交
流を推進します。
2.自立した暮らしへの支援
◆生活安定対策の推進
・ケースワーカーと民生児童委員、各種相談員などの緊密な連携により、経済的に困窮している低
所得者の生活実態、援護ニーズなどの的確な把握に努めるとともに、きめ細かい相談指導に努め
ます。
・社会福祉協議会が行う心配ごと相談事業をはじめ、生活福祉資金、たすけあい金庫、特別生活資
金の貸付けなどの援護対策の支援を強化し、低所得者の生活安定や自立を促進します。また、低
所得者の経済的自立と生活意欲の助長を図るため、関係機関との連携により就労の促進に努めま
す。
◆母子家庭、寡婦及び父子家庭の自立支援
・関係機関と連携を図り、総合的な相談体制の整備充実に努めます。
・母子家庭等の自立支援制度の普及、活用に努め、経済的自立の助成と生活意欲の助長を図りま
す。
・家庭奉仕員派遣制度の普及を図り、母子家庭等の日常生活支援に努めます。
◆アイヌの人たちの福祉の充実
・アイヌの人たちの生活の安定と向上を図るため、生活相談、職業相談など各種相談活動を充実す
るとともに、各種貸し付け資金制度の活用をすすめます。