第1章 やさしさと共生するまち

第2節 「輝いて、生涯現役」のびやかな人生が息づくまちをつくる

[基本的な考え方]

 活力ある高齢化社会を築き上げるためには、何よりも、高齢者が住み慣れた地域や家庭でいきいきと充実した暮らしを続けることが大切です。そのためには、市民一人ひとりが早くから高齢化についての理解を深め、高齢者の社会参加や生きがいづくりを総合的に推進することが必要です。

 また、核家族化や家族の高齢化、女性の社会進出、扶養意識の変化などにより家庭での介護能力の低下がすすむことが予想されることから、高齢者の介護ニーズに適切に対応するため、家庭や地域あるいは行政と民間関係団体との適切な役割分担に基づいた総合的な対策が求められています。

 さらに、保健や福祉あるいは医療等のサービス供給主体が連携を密にし、個々のケースに見合う最も適切なサービスを提供できる体制の確立が大切です。

 元気な高齢者はもちろんのこと、援護を必要とする高齢者が安心して暮らせるよう保健と福祉と医療が連携した総合的な在宅支援サービスを強化するとともに、施設サービスを充実し、すべての高齢者が充実した生涯を送ることのできるよう努めます。



[施策の基本方向]

1.活力ある高齢社会への基盤づくり

 高齢者が心身ともに健康でやすらぎに満ちた暮らしを営めるようきめ細かな健康管管理体制の整備に努めるとともに、高齢者が長年培ってきた知識や経験を生かし、地域社会の様々な分野で活躍できる場づくりと高齢者自ら生きがいをもって生きる意識の醸成を図ります。

 また、医療や保険、年金制度の改善充実と適切な介護保険制度の確立を図るとともに居住環境の整備など高齢者の生活基盤の安定に努めます。



2.やすらぎに満ちた長寿社会づくり

 高齢者が住み慣れた地域や家庭で充実した暮らしを送ることができるよう、きめ細かな在宅福祉サービスや施設福祉サービス、保健サービス、医療サービスの充実に努めるとともに寝たきりや痴呆性老人を抱える家族の介護負担の軽減を図ります。



[主要施策]

1.活力ある高齢社会への基盤づくり

◆きめ細かな健康管理と寝たきりや痴呆の予防対策

 ・高齢者のための健康診査や健康相談を充実し、脳卒中・高脂血症・骨粗しょう症の予防を図るな
  ど、寝たきり老人ゼロ運動を推進します。

 ・医療機関との連携による痴呆の早期発見、早期治療や相談窓口の充実など高齢者の痴呆防止に取
  り組みます。

 ・要援護老人の日常生活に必要な動作機能の向上や残存機能の維持、二次障害を防止するため機能
  訓練事業の充実に努めます。

 ・保健婦、栄養士、歯科衛生士の連携による訪問指導体制を整備します。

 ・身体機能の低下に適切に対応できる福祉機器の普及に努めます。


◆高齢者の生きがいづくり
 
 ・老人クラブの育成を図るとともに老人福祉センター活動を助長します。

 ・世代間交流を推進します。

 ・シルバー人材センターの活動を支援します。

 ・老人大学や生涯学習講座等高齢者の学習機会を拡充します。


◆高齢者の生活基盤の整備

 ・高齢者の生活安定のため、年金や医療保険制度の改善、充実と適切な介護保険制度の確立を図り
  ます。

 ・高齢者が安全で快適な生活ができる良質な民間住宅建設の促進に努めます。

 ・高齢者の暮らしやすい公営住宅の整備を促進します。

 ・高齢者の居住環境改善を推進するため、制度活用やリフォームヘルパーなどによる住宅改善相談
  を強化します。



2.やすらぎに満ちた長寿社会づくり

◆在宅サービスの充実

 ・保健、福祉、医療が連携した在宅サービスの体制を構築します。

 ・医師、保健婦等のチーム方式による新たなサービス提供体制を構築します。

 ・公的福祉サービスとボランティアによる福祉サービスが連携したきめ細かなサービスの充実に努
  めます。

 ・ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイサービスの拡充に努めます。

 ・高齢者世帯の食生活の安定を図るため、給食サービスを実施します。

 ・独居老人等の不安を解消し、安全を守るため、緊急通報システムの拡充や電話サービスの充実に
  努めます。

 ・在宅で安心して療養ができる訪問診療、訪問看護、訪問指導、機能訓練などの充実に努めます。

 ・訪問看護ステーションの整備を推進します。

 ・在宅介護支援センターの整備を推進します。

 ・福祉サービスを提供する市民互助組織の育成とその活動の支援に努めます。

 ・市民の多様化し増大するニーズに的確に対応するため、民間企業による在宅サービスの普及に努
  めます。

 ・きめ細かな各種サービスを提供するため、総合相談窓口の整備に努めます。

 ・介護職員の資質の向上を図るため、研修に努めます。

 ・パンフレット、広報紙等を活用し、各種在宅サービスの周知啓発に努めるなど、その利用促進に
  努めます。


◆施設福祉サービスの充実

 ・特別養護老人ホーム、養護老人ホームなどの整備に努めます。

 ・ケアハウスの整備を図ります。

 ・老人保健施設の整備を図ります。


◆介護者への支援強化

 ・介護者の精神的、肉体的、経済的負担軽減を図るため、在宅サービスを推進するとともに、介護
  者への相談、援助を充実します。

 ・夜間の介護が必要な寝たきり老人や痴呆性老人のためのナイトケアを推進します。

 ・家族の入院等により介護を受けられない寝たきり老人等のためのミドルステイを推進します。

 ・寝たきり老人等を介護するための知識や技術を得るためのホームケアを推進します

 ・介護者の心身のリフレッシュや介護者相互の交流を図ります。