第1章 やさしさと共生するまち
第1節 共に支え合う福祉の基盤づくり
[基本的な考え方]
市民一人ひとりがお互いの人権と価値観を尊重しながら、ともに生きるという意識は、まちづくりの基本です。
障害のある人や高齢者など様々なハンディキャップを持つ人たちが、差別や偏見のない社会の中で、地域を支える重要な一員として尊重される福祉社会を築き上げることが市民すべての願いです。
そのためには、幼児教育や学校教育、社会教育などあらゆる機会をとらえて福祉教育を推進するとともに市民の福祉意識の高揚を図るなど、広くノーマライゼーション理念の普及を図ることが必要です。
また、地域における福祉を総合的に推進するためには、福祉を支える組織や人材、財源の確保などの体制強化に加え、きめ細かく展開される地域福祉活動が重要です。すべての市民にとって安全で快適な福祉のまちを実現するため福祉基盤の整備を促進します。
[施策の基本方向]
1.ノーマライゼーションの普及
障害のある人もない人も、子どもも高齢者も地域の一員として「共に支え」「共に歩む」というノーマライゼーション理念のより一層の普及を図るため地域の人びとの交流を促進し、ふれあいの場とお互いの理解の場を広げます。
また、家庭、地域、学校、企業が連携して取り組む福祉についての学習機会を拡大するとともに各種メディアを活用した広報活動を推進します。
2.福祉推進体制の強化
安定的で持続的な福祉活動を展開するため、行政と民間の効果的な機能分担を図りつつ福祉財源の確保に努めるとともに、福祉を支える多彩な人材の確保と養成に努めます。また、民間福祉団体の育成強化と在宅福祉サービスを提供する新たな民間組織の育成を図ります。
3.地域福祉活動の推進
地域福祉活動を担うボランティアセンターの体制を強化し、行政との連携を強めて、相談機能や福祉情報機能の充実を図ります。
また、地域のなかでお互いが支えあうことができる福祉コミュニティづくりを促進するため、ボランティアセンターをはじめ、家庭、地域、学校、企業等が有機的に連携し、それぞれの機能に応じた福祉活動が行われるよう努めます。
[主要施策]
1.ノーマライゼーションの普及
◆福祉意識の高揚
・ふれあい広場の開催等を通して福祉意識の高揚を図ります。
・各種メディアを活用した広報活動を強化します。
◆福祉教育の充実
・青少年によるボランティア体験学習や世代間交流など福祉活動の場づくりをすすめます。
・幼児教育や学校教育、社会教育などを通じて幼い時から福祉の心の醸成を図ります。
・市民フォーラムを開催する等市民の福祉学習の機会を拡充します。
2.福祉推進体制の強化
◆地域福祉基金の充実
・民間の福祉活動を支援するためおもいやり基金の充実を図ります。
◆福祉マンパワーの確保
・福祉サービスの担い手の確保に努めるとともに資格者の養成を図ります。
◆民間福祉組織の充実強化
・社会福祉協議会の機能を充実するため、財政基盤の強化を促すとともに人的支援に努めます。
・小地域でのきめ細かな福祉サービス体制を確立するため、市内全域にわたり住民参加による小地
域ネットワーク活動を推進します。
・機動的な福祉サービスを展開するため民間社会福祉施設や福祉関係団体との連携を強化します。
◆福祉公社の設立
・質の高い社会的サービスを安定的に供給するため、福祉公社の設立に努めます。
3.地域福祉活動の推進
◆ボランティアセンターの充実
・ボランティアセンターの体制を強化し、ボランティアの養成や団体の育成に努めます。
・ボランティア活動の調整やボランティア団体のネットワーク化を促進します。
・ボランティアセンターの総合的な相談機能の充実に努めます。
・ボランティアに関する情報の収集と提供のシステム化を図ります。
◆ボランティア活動の充実
・親と子が地域の一員としてボランティア活動や地域活動に参加できる場を広げます。
・町内会など地域組織での福祉活動への参加を促進します。
・児童、生徒の福祉活動への参加を促進するためボランティアグループの育成、指導に努めます。
・週休2日制の普及や労働時間の短縮による余暇時間を活用し、仕事についている人がボランティ
ア活動や地域活動に参加しやすい環境づくりに努めます。
・企業が自ら行うボランティア活動や従業員が行うボランティア活動への支援など企業の社会貢献
活動の推進を図ります。
◆民生児童委員等との連携
・地域福祉を担う民生児童委員や身体障害者相談員等との連携を強化し、きめ細かな地域福祉活動
を展開します。
◆コミュニティ施設の活用
・地域福祉活動の推進にあたり、コミュニティ施設の活用を図ります。
◆地域福祉情報システムの確立
・福祉関連情報を一元的に提供する情報システムの構築に努めます。